本日の二冊 「きんぎょが にげた」「かくしたの だあれ」
「きんぎょが にげた」(福音館)
「かくしたの だあれ」(文化出版局)
五味 太郎・作
おもちゃ箱をひっくりかえしたように、カラフルでにぎやかな表紙絵。
本書は、ロングセラーにもかかわらず、わが県内の書店の児童書コーナーでは、常に売上げベスト8に入っている作品だ。
最初手にとったとき、なんてかわいい絵本だろうと思った。
きんぎょばちの中の、赤い一ぴきのきんぎょ。
ページをめくると、とつぜん、そのきんぎょが外に飛び出す。
「きんぎょがにげた」 左ページに大きな文字。
そこから、きんぎょはさらににげる。
「どこに にげた」
「おや また にげた」
小さなあかいきんぎょは、あかい水玉の中、あかい花の中、キャンディーのびんの中とすいすいにげていくのだ。テレビの中、くだものかごの中、おもちゃの中、鏡の中、そしてついに……。
息子と読んだのは、生後八ヶ月を過ぎたころ。
「どこどこ?」「あ、ここ」「こんどはここ」 最初はわたしが教え、それから彼がちゃんとわかるようになるまで、本当にくりかえしくりかえし、楽しんで読んだ。
ポップな絵がとてもおしゃれで、本棚に置くだけでも、心がうきうきしてくる幼児絵本である。
本日のもう一冊は「かくしたのだあれ」
作者の五味太郎氏は、絵本の中のいろんなしかけで、小さな子どもたちだけでなく、いっしょに読む大人たちをも楽しませてくれる。
本書は「たべたのだあれ」の続編でもあり、最初にそれを買ったのだが、あまりに息子のウケがよかったので、続けて本書も買った。
ページを開くと、左側に出てくる質問。
「てぶくろ かくしたの だあれ」
右側に目をやると、二羽のにわとり。そのうちの一羽のトサカが、あきらかにてぶくろ。
次をめくると、
「はぶらし かくしたの だあれ」
三匹のワニたちの中に、歯がハブラシのワニが一匹まぎれている。さてわかるかな?
こんなふうに、くつした、ろうそく、ぼうしにじしゃくなどをかくしているどうぶつさがしが続く。
少しずつ難易度が増していくのが面白く、最後の頁は思わず、ムムムッ?
さすがに一才すぎないと、レベルが高いかもしれないが、このおもしろさにはまってしまった息子は、二才になると勝手にこの本を開いては、「かくしたのだあれ? これっ」とひとりごとを言って指さしながら読んでいた。
五味太郎氏の楽しいしかけ絵本の数々、小さな子どもたちへの贈り物にはお薦めである。




