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縁の本棚  作者: 雪縁
190/306

本日の一冊 「としょかんライオン」

「としょかんライオン」【岩崎書店】

         ミシェル・ヌードセン・作

         ケビン・ホークス・絵

         福本友美子・訳

 

 図書館で催されるおはなし会。

 ここに一匹のネコがまぎれこんだら、きっとみんな大喜びするだろう。

 では、もしライオンだったら……?

 

 ある日、図書館にずんずんと一頭のライオンが入ってきた。

 図書館員のマクビーさんは大あわてで、メリウエザー館長に報告する。

「ライオンがいるんです! 図書館に」

「で、そのライオンは図書館の規則を守らないんですか? 守っているのなら、そのままにしておきなさい」

 図書館の決まりは、走らない。大声を出さない。

この決まりを守るならということで、ライオンは自由に図書館に出入りできるようになった。


 いつも、おはなし会の時間より、ずっと早くにやってくるライオンは、しっぽで棚のほこりを払ったり、メリウエザー館長が出す封筒の封をなめたり、子どもたちをせなかにのせて、高いところの絵本をとれるようにしてあげたりと、なかなかの働きもの。

 最初はこわがっていた人たちも、おはなし会ではライオンに寄りかかったり、頭をなでたり。

だれもがすっかり、としょかんライオンを好きになり、友だちになった。

 そんなある日。

 踏み台にのって、高いところにある本をとろうとしていたメリウエザー館長は、あやまって倒れてしまった。

 起きあがれない館長は、ライオンにマクビーさんを呼んできて欲しいとたのむ。

 館内を思いきり走り、大声をあげてマクビーさんを呼んだライオン。

けれども、大切な規則をやぶってしまったということで、自ら図書館の出入りを、ぱったりとやめてしまった。


 灯りの消えたような図書館。

 だれもが、ライオンを待ち続けるが、なかなかもどってきてくれる気配はない。

「たまには、ちゃんとしたわけがあって、決まりを守れないことだってあるんですから」

 規則に厳格な館長ですら、寂しそうにそうつぶやくのだった。

 果たして、ライオンはもどってきてくれるのだろうか。


 なんといっても、挿絵がいい!

 本や、おはなしを聞くのが大好きなライオンの表情がとても豊かに描かれている。

 こんなライオンなら、近くの図書館にもいてくれないかしら。

 この絵本を読んだら、だれだってそう願ってしまいそうだ。



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