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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日もう一話 「ふゆじたく」

「ふゆじたく」

        もりた のん作



 もみじがおわって、

 夕がたがみじかくなって、

 そろそろつめたい風がふいてくるころになると、

 お空ではゆきだるまたちがふゆのじゅんびをはじめます。


 ゆきだるまのおしごと、

 それは「ゆきのけっしょう」をつくること。


 ざいりょうもつくりかたも、とってもシンプル。

 氷でできたつめたーいとくべつなオリガミと、

 キンキンに冷やしたひみつのハサミ、

 このふたつがあればじゅうぶん。


 たたんだオリガミを

 ちょきちょき切ってそっとひらくと……

 ゆきのけっしょうができあがります。


 まるでマジックのよう。


 ゆきだるまたちのつくったけっしょうは、

 つめたくてキラキラしていて、

 お空でもひょうばんがよいのです。


 ふゆが近づくと、

 ゆきだるまたちはまいにちのように、

 ちょきちょき

 ちょきちょき……

 ふゆがくるたび、

 たくさんのけっしょうをつくるのです。




 この小さなおはなしは、童話の同人仲間で、三年前に急逝したもりた のんさんの遺稿となった作品です。

 三回忌の今日、少しでも多くの方々の目にふれてほしいなあという願いから、ご家族の許可をいただき、ここに紹介させていただきました。


 同人誌の中では、自ら作った、さまざまなゆきのけっしょうと共に、ゆきだるまの切り絵も掲載されていてなんとも可愛らしいのです。ここでお見せできないことが残念でなりません。


 澄み切った知性あふれるまなざしで、創作にとりくんでいたのんさん。

 きっと今ごろ、美しい天使となって、お空の上でゆきだるまたちといっしょに、ちょきちょき、ちょきちょき、けっしょうづくりをしているのだろうなあと思います。



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