表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
縁の本棚  作者: 雪縁
142/306

本日の一冊 「かばくんとおとうさん」

「かばくんとおとうさん」【あかね書房】

         ひろかわ さえこ作・絵


 毎年父の日が近づくと、よくこの本を読み聞かせに持っていった。

「かばくんシリーズ」のひとつ、「かばくんとおとうさん」だが、表紙絵、おとうさんに甘えるかばくんの笑顔がかわいらしい。


 日曜日の朝。

 おかあさんはお出かけで、かばくんはおとうさんとおるすばん。

 だけど、おとうさんはなかなか起きてくれない。

 えいやっと、おなかに飛びのって、強硬手段で、おとうさんを起こしたかばくん。

 おひるごはんを作ってとたのむけれど、かばくんの食べたいものはおとうさんには作れないらしい。

 ジャーにごはんがあることに気がついたおとうさん、いちばんシンプルなメニューを考えつく。

 それはなにかといえば、おにぎり!

 やった~とよろこぶかばくん。

 さっそく、二人でよいしょ、よいしょ。

 大きいの、小さいの、たくさんとりまぜ、おいしそうなおにぎりの出来上がり。

 次に、おとうさんは新聞紙、せんたくばさみ、空箱にシーツをそろえてきた。

 おとうさんは、いったいなにをこしらえてくれたのだろう?

 絵本をみてのお楽しみ!


 子どもが手を離せない時期、ほんのひとときでも気分転換したいおかあさんにとって、いちばんの頼みの綱はおとうさんだろう。

 わが夫も、私が同人誌のしめきりに追われて執筆にはげんでいるとき、同人の会に出席するときには、快く息子たちのお守りを引き受けてくれた。

 その時に食べさせてくれたのは、やはりおにぎり。私の作るおにぎりより、ずうっとちっちゃなちっちゃなおにぎりに、のりと梅干しで、息子たちの大好きなアンパンマンの顔を描いて、喜ばせてくれていた。

 今思えば、夫がそうして協力してくれたからこそ、わたしはずっと同人誌を続けられ、童話を書きつづけることができたのだと感謝している。


 おにぎりだけのごくシンプルなお弁当と、おとうさんが庭に作ってくれたおうちで、ごきげんなかばくん。

 おとうさんならではの、すてきなアイディアだ。

 現在は主夫のおとうさんもおられるから、いちがいには言えないけれど、子どもが小さい時期はほんのひととき。たくさん、たくさん遊んであげてほしい。

 私自身、忙しい仕事の合間をぬって、父が一緒に遊んでくれた記憶は、この年齢になっても、決して色あせることがないのだから……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ