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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「ゆうれいとすいか」

「ゆうれいとすいか」【ひかりのくに】

          くろだ かおる作

          せな けいこ絵


 梅雨入りした当地は、ここ数日、ムシムシする陽気が続いている。

 スーパーの果物売り場に並んでいるすいかがやけにおいしそうに見えてくる。

 夏、すいかときたら、思い出すのがこの絵本。

「ゆうれいとすいか」は低学年から高学年まで人気のあった絵本だ。

 青い表紙にすいかをもったひとりのゆうれい。みるからに寒くなりそうな色あいだ。

 表紙絵を見せただけで、子どもたちの目がきらきらしてくる。ゆうれい話は、どうしてこんなに子どもたちをひきつけるのだろう。


 さて、このおはなし。

 真夏のある日。

 夜に食べようと、男がすいかを井戸の水に冷やしておいた。

 ところが、その夜、ひとあし先に井戸から出てきたゆうれいがすいかを発見。

 暑くてたまらないゆうれいはがまんできず、そのスイカを食べはじめたところに、男がやって

きたから、さあ大変!

「やいやい、なにしやがる。ひとさまのすいかをたべやがって! ゆうれいとしてはずかしくないのか! おう、べんしょうしてもらおう」

 男は、相当な剣幕で怒り始める。

「もうしませんから、どうかおゆるしを」

 さめざめと泣くゆうれい。

「よし、じゃあ、おれのいうことをなんでもきくんだぞ」

 男は、強引にゆうれいを家に連れ帰り、まず頼んだことは、蚊の退治。

 蚊が多すぎて夜も眠られないらしい。

 ゆうれいは、すかさず、ところてんを作る道具を出してもらい、自分がひらりとその中へ。

 男がきゅーっとおすと、たくさんのゆうれいの分身があらわれ、ぱちん、ぱちん。

いっせいに蚊を退治しはじめた。

 男は満足したものの、やはりすいかが食べたくてならない。すると、ゆうれいは、おばけ組合で作ったものでよければと、あの世産のすいかを持ってきた。

 男がそのすいかを切ってみると……。


 井戸ですいかを冷やす、ところてんをつくる。

現代の子どもたちにはわからないことも多いかもしれない。けれども挿絵を見ただけで、どういうことがひと目でわかったようだし、おばけ組合のすいかでは笑い声があがっていた。

 さて、おばけ組合のすいかが気に入った男。

これを売り出すことに決めて、看板の文字にこう書くのだ。

「あつさ ふっとぶ ●●すいか」

 すると、それは飛ぶような売れ行き。

 ゆうれいは、リヤカーにすいかをのせて、あちらとこちらを何度も行ったり来たり。

 男とゆうれいが手をとりあって喜ぶ背表紙の挿絵が何とも楽しい。


 さあ、●●の文字、おわかりでしょうか?

 ヒントは表紙にありますよ。


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