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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「ふしぎなたけのこ」

「ふしぎなたけのこ」【福音館】

           松野 正子・さく

           瀬川 康男・え


 今年は引越し騒動にまぎれて、たけのこ料理を作れないまま終わってしまった。

 たけのこを堀りにとまではいかないが、いただいたり、自分で買ったりすれば、米ぬかでゆがき、

いろんな料理に使う。

 大好きなものは筍と豚肉のみそ煮だろうか。こってりした豚肉と旬の筍の組み合わせは、味噌ととても相性がいいような気がする。


 さて、この絵本。

「やまの おくの おくの むらの、むかし むかしの おはなし」の語りで始まる。

 こんやは、たろのたんじょうび。

 さかなもこんぶもないむらでは、たけのこはみんなのおおごちそうだ。

 かあさんにたけのこをほってきておくれとたのまれて、たろはうらのたけやぶに出かけていく。

 くろい土をもっくりともちあげているたけのこを見つけたたろは、さっそくほりはじめる。

 まもなく暑くなったので、うわぎをすぐそばのたけのこにひょいとかけた、と、そのとたん。なんとそのたけのこが、ぐぐぐっとのびた。あわててうわぎをとろうとすると、またぐぐぐっとのびる。

 たろがのぼる。たけのこがのびる。それをくりかえして、たろはいつのまにか、とてつもなく、たかいところへきてしまった。

 さあ、たいへん!

 たろのかぞくはもちろん、むらの人たちもおおぜいかけつけ、切ってしまおうということになる。そのあいだもたけはぐんぐんのびつづけるが、とつぜんぱたりとのびるのをやめて、ひと休憩。それっとばかりに、みんなは、たけにおのを入れた。


 ながいながいじかんをかけて、たけはたおれていった。

 あらゆる竹林、くぬぎ林、松林、ひのき林、たかい山、ひくい山、たかい山、ひくい山。

いくつものやまやまの木をおしわけ、たけのこはたおれていった。

 やがてよくあさになって、ものすごいさいごのひびきをたて、ようやくたけがたおれた。

 それっとばかりにたけをつたって、みんなは走り出す。

 あらゆる竹林、くぬぎ林、松林、ひのき林をすぎて、ようやくみんながたどりついたところには、すなはまと大きな池があった。

 そこにたろがよこたわっている。

「たろ、たろ」とびついてゆりうごかすも、目のさめないたろ。

 たろはぶじなのか?

 そして、みんながおどろいたある事実とは?


 この絵本は海外で高い評価を受け、世界絵本原画展グランプリを受賞している。また、国内でも図書館協議会選定の必読図書としての評価を受けている。

 躍動的なペン画のような作品に心惹かれる読者も多いのではないだろうか。

 たけのこの季節には、特にお薦めの一冊である。


 


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