本日の一冊 「もぐらとじどうしゃ」
「もぐらとじどうしゃ」【福音館】
エドアルド・ペチシカ文
ズデネック・ミレル絵
うちだ りさこ訳
目がさめるような黄色の表紙。
色とりどりの車にまっくろなもぐら。
ポップなカラーとイラストで描かれた可愛い絵本だが、意外にも初版から五十年くらいたっていることに驚かされる。
たくさんの車が行き交う通り。
車同士がぶつからないように、中央には緑の草地がある。そこにできた土の小山がもくもくと動き、何かが顔を出した。
もぐらくんだ。
まわりをみわたし、もぐらくんはつぶやく。
「あーあ。ぼくにもじどうしゃがあったらなあ~」
そしてもぐらくん、自分だけの車をつくってみようと思い立つ。
ハンドル、車輪、いろんな部品をそろえながら四苦八苦するもぐらくん。
ところが、ついさっきまではすてきなじどうしゃだったはずなのに、こわしやのカルリクによって、ぺしゃんこにつぶされた車を発見。
ものしりのネズミのアドバイスで、街のAUTO SERVICEに、つぶされた車を持っていったもぐらくん。
りっぱによみがえった車を愛車にして、大得意で街中をドライブしてまわる。
ところが、交差点でもぐらくんの車はストップしてしまい、大ピンチ!
果たして、もぐらくんは切りぬけられるだろうか?
目下、常に頭を痛めていること。
それは運転だ。
実はわたしはペーパードライバー。それももう三十年近くなる。
時々は田舎道を運転する(させられる)こともあるので、何とかまっすぐだけは走ることはできるが、できないのがバックで駐車すること。
なかなかまっすぐにいかず、となりに別の車があろうものなら、まちがいなくぶち当ててしまいそう。
バックをしない駐車も試みるが思うようにはいかないのが現実。要はバック駐車を克服せざるをえないのだ。
ああ、もぐらくんはいいなあ。
どうやって駐車してるんだろう。
車を運転することが、もぐらくんみたいに楽しいと思えるなら、どんなに嬉しいだろうか。
最近ではこの表紙を見る度、もぐらくんがうらやましくって仕方ない。




