本日の一冊 「おべんとう なあに」
新天地より一週間ぶりに本棚を再開いたします。どうかまたお立ち寄り下さい。
「おべんとう なあに?」
山脇 恭・作
末崎 茂樹・絵
四月も後半。
引越してきたところは、豊かな自然にあふれている。
柔らかな若草色の木々に、咲き乱れる色とりどりの花たち。
子育てまっさい中のつばめが、急げ急げと飛び交い、うぐいすがのどかにさえずっている。
こんな中で、気の合った仲間たちとお弁当を広げたら、さぞや美味しいだろうなと思う。
そんなことを考えていたせいかもしれない。
実家の古い本棚から、ふとなつかしい絵本が目にとまった。
手に手におべんとうをもった動物たち。
タイトルも、その絵のとおり「おべんとうなあに?」
これはおべんとうのしかけ絵本になっていて、まだ幼いころの息子たちがそれはそれは喜んで、何度も読み聞かせしたものだ。
ぞうくん、うさぎくん、りすちゃん、きつねくんがピクニックへ行く。
でんしゃごっこにかくれんぼ。たくさんあそんで、さあ、おべんとうの時間!
読者は、自分のことのようにウキウキ気分で、りすちゃんのおべんとうばこをめくってみる。
出てきたのは、かわいいお日さまサンド。
次にきつねくんのおべんとうばこをめくると、
出てきたのは、かっこいい新幹線べんとう。
次にうさぎくんのおべんとうばこをめくると、
出てきたのは、きれいな花束べんとう。
そしていよいよ、ぞうくんの番に。
ところが……。
ない!
ぞうくんのおべんとうがなくなってしまった!
ぶわああああん!
声をはりあげて泣きだしたぞうくん。
さてさて、ぞうくんのおべんとうは見つかるのかな?
戸外で食べるおべんとうは美味しい。
仲よしの友だちと分けあいながら食べればさらに美味しさ倍増だ。
可愛らしく、ほのぼのとした気持ちになれる絵本である。




