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縁の本棚  作者: 雪縁
105/306

本日の一冊 「ねぎぼうず」より「梅林」「さくら」

みずかみ かずよ詩集

「ねぎぼうず」【岩崎書店】

       みずかみ かずよ作


 季節の舞台はゆっくりとまわり、今や早春のころ。

 梅の花が満開の時季を迎えている。

 みずかみ かずよさんという詩人は、もうこの世にはおられないが、北九州の同人誌「小さい旗」で

ご主人の水上平吉さんと活躍されていた。

 童話の同人誌同志のおつきあいで、こちらからもできあがった冊子を送り、向こうからもいただいたものだ。

 かずよさんの作品で、今の時季にふさわしい一編をご紹介したい。


  梅  林


 えだいっぱいの

 つぼみたちが

 ぱっぱっ

 ぱっぱっ

 にぎりしめていた

 ひかりをはなったから

 うめのきは

 あかるい

 ぼんぼり


 くっくっ

 くっくっ

 かぜにかおりの

 はしゃぐ

 こえがするから

 うめのきは

 いちにち

 おまつり



さきほど天気予報で、今年の桜の開花は二十三日頃といっていた。

 少し早いけれど、さくらの開花を心待ちにしながらもう一編。


 さ く ら


 うすい

 うすい

 におい紙の花びら

 さくらの木の下は

 まあたらしい

 障子をはったおざしきだ


 ござをしいてすわったら

 うきうきして

 ももいろにそまったひざこぞうが

 くすぐったいよ


 手をあげると

 指のさきから

 清らかなひかりがしみこんで

 手のひらも

 花びらになった





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