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縁の本棚  作者: 雪縁
101/306

本日の一冊 「いつもちこくのおとこのこ」

「いつもちこくのおとこのこ

 ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー

            ジョン・バーニンガムさく

           たにかわ しゅんたろうやく


 この絵本をテーブルに出したとたん、夫と長男が声を合わせて「ノーマン・マクヘネシーだ!」とさけんだ。

「おぼえてたの?」

 びっくりしたのは私。読み聞かせしていたころからすでに十六年以上はたっているのだから……。

「そりゃあ、覚えてるよ。だってあれだけ読んでくれたんだから」

 そうなのだ。この絵本は実に、実によく読み聞かせた。

 息子たちも、そして多分、こっそりと聞いていた夫も大好きだったはず。


 ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーはおべんきょうしに、てくてく出かける。

 すると、マンホールの中から大きなワニがあらわれ、ノーマンのカバンにかみついた。

 ノーマンはてぶくろを投げつけ、ワニはようやくカバンをはなしてくれた。

 けれども、そのせいでノーマンはちこく。

「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、ちこくだね」

 ノーマンはわにの一部始終を話してきかせるが、せんせいはどうしても信じてくれようとしない。

 そればかりか、

《もう、わにのうそはつきません。てぶくろもなくしません》

と、三百回書かせられる。


 それからも、おべんきょうしにいくとちゅうで、ありとあらゆるハプニングにみまわれ、ノーマンはちこくしてしまう。

 そのたびごとに、「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー! ちこくだね」

 せんせいにバツを受けるはめになってしまうのだ。


 何ともきのどくなノーマンだが、ラストのどんでん返しが面白い。


 この絵本を読み聞かせるコツ。

 名前をゆっくりと、でも力強く。いかにも英語風に。

「じょおん・ぱとりっく・のーまん・まくへねしー」


 社会人になってひとり暮らしを始めた息子。

 どうか「いつもちこくのおとこのひと」になりませんように……。


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