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71話 『龍』と『竜』と老人

家のPCに能力名とかのやつ置いてきたから不確かな記憶を辿りました。

 かつて『龍』も『竜』も家族同然のようなものだった。

 だが、今はハドに攻略され、使役される漢字である『龍』とハドらの敵である集団の王の切り札とでもいうべき漢字の『竜』。

 立場も違えば味方も違う。敵は互いである。


「レンガ、ここは儂らに任せてくれ」


 ハドがそう言って空から降りてくる『龍』とともに『竜』と対峙する。

 任せてくれ、と言うがこの場にハドと『龍』と『竜』以外で動ける者はいなかった。

 

 ベム国側は『竜』の圧倒的な力があればこの闘いもすぐに終わるだろうと思っていた。

 一匹でも強力なドラゴンが七匹もいるのだ。負けるはずがないと。

 

 敵であるが老人前に出てここは任せろと言っていた。

 最初は何の冗談かと思った。

 いくら強くとも勝てるはずがない。たとえどんな漢字であろうともだ。

 だが七匹の強力なドラゴンたちよりも遥かに強大な存在が出現した。

 老人がそのドラゴンを召喚したようだが、今の王にはそんなことは考える暇がなかった。

 

 王――ヴェルツルは馬鹿な、と思っていた。

 『竜』でさえ自分たちでも攻略はできなかった。かろうじて『隷』の能力で支配しているに過ぎない。

 だが、この老人は支配ではなく自分の能力として『龍』を召喚して見せた。

 それだけで格の違いを見せられたようだ。

 そういえば、とヴェルツルは思い出す。以前に『竜』が言っていたことを。

 自分たちには貴様とは違う真の王がいる。貴様などただの仮初にすぎない、と。

 あのときはただの戯言と一笑に付していた。


「貴様ら、あのとき言っていたことは本当だったのか⁉」


 ヴェルツルは動揺しながら『竜』に問う。


「言ったであろう」


「我々は嘘などつかない」


「貴様ら下等な人間とは違うのだ」


「ああ王よ、我らが王よ」


「お許しください、あなたに牙をむいてしまうことを」


「我らはこの男に従うほかないですが必ず我らに勝ってください」


「そして我らを攻略し、この男から解き放ちください」


 七匹の『竜』は交互に言う。今から強制的に行わされるであろうことの贖罪を、そして解放の願いを。

 ヴェルツルはこれには黙っていなかった。


「ええい、うるさいうるさい!俺に逆らうなよ、逆らうというならこうだ!『落第奴隷強制統制』」


 『竜』の目から光が消える。同時に凄まじい咆哮をあげた。

 ハドと『龍』、ヴェルツル以外はその衝撃に思わず耳を塞ぐ。


「どうやら俺の奴隷と顔見知りのようだ。喜べ、存分に闘えるようにこいつらから感情意識その他の闘いに必要のないものを消しておいてやった。さあ、こいつらを喰らい尽くせ!」


 七匹の『竜』はそれぞれ『龍』の顔、胴、尾、手足に噛みつく。


「ぐぅっ」


 『龍』は思わずうめき声をあげてしまう。

 

 『龍』は強い。『竜』が七匹で束になっても圧倒的強さを持って勝てるだろう。

 ひとたび体を震わせれば瞬く間に『竜』を振り切れただろう。

 だが、それはあくまで攻略される前の、ただの一匹の漢字の『龍』であった時の話である。

 攻略され、保漢者にされた生物系の漢字の能力は制限される。それは『龍』であっても変わらない。

 かつてよりもだいぶ力は衰え、さらに全長も小さくなっているだろう。

 家族である『竜』が敵となっていることも『龍』が力を発揮できない要因の一つであろうか。


 対して『竜』は攻略されておらずただヴェルツルの漢字の能力で支配されているだけ。

 力の制限はなく、感情がなくなっているため躊躇うことなく『龍』に対して攻撃できる。

 そして『竜』は総数七匹と数でも勝っている。


 『龍』が現れたときは形成逆転かと思われた。だが、七匹の『竜』に噛みつかれているところを見ると状況は変わらず自分らに有利なようだ、そうヴェルツルは判断した。



 攻略された漢字である『龍』の今の力はそれでも強大だ。ドラゴン数匹でも相手にできる。

 だが、『竜』相手ともなるとせいぜい三匹が限界だ。それ以上は押し切られてしまう。

 それが七匹、限界の倍の数を相手にしている。

 いったんは七匹を引きはがすことができた。

 

 だが、七匹は次の行動に移る。

 『竜』は火、水、雷、土、木、光、闇をそれぞれ司る七匹のドラゴンである。

 七匹は各種それぞれの魔法を使い始める。

 火を司る『竜』はその口から高温の火を吐き『龍』の鱗を焼く。

 水を司る『竜』は水を空気中の水分から創り出し冷やし固め氷として操り『龍』へと放つ。

 雷を司る『竜』は空から雷を降らせ『龍』を痺れさせ動きを止める。

 土を司る『竜』は土を盛り上げ『龍』を覆いつぶす。

 木を操る『竜』は草木を増殖させ『龍』の視界を隠す。

 光を操る『竜』は光線を放ち『龍』の体を貫く。

 闇を操る『竜』はその攻撃そのものに闇を纏い『龍』から力を吸い取っていく。

 

 次第に『龍』は体に傷を増やし力を失っていく。

 『龍』とて攻撃はする。『龍』が負ければ保漢者であるハドの命も危ういのだ。負けるわけにはいかない。

 だが、一匹一匹は『龍』に劣っていようとも『竜』にはその数と容赦のない攻撃があった。

 

 『龍』が火を噴けば、火の『竜』が火で相殺し、水の『竜』が水を出し消化する。

 『龍』がその体躯を振るえば、『土』の『竜』が土で押しとどめ、木の『竜』が草木で『龍』を捕縛する。

 そして『龍』が隙を狙おうとすればすかさず雷の『竜』が止める。

 傷つこうとも光の『竜』が味方を回復させ、闇の『竜』が『龍』の力を奪う。


 まるであのときと同じだな。そう『龍』は自嘲する。

 ハドと闘ったときも多彩な攻撃をされ敵は回復し続け自分は弱体化される。

 一匹であの人間離れした五人と闘ったときを思い出す。


「ふむ、そろそろ手伝おうかの」

 

 だが、今は『龍』は一匹ではない。

 あの時の人間離れしたパーティーの一人が、リーダーがこの場にはいる。

 一匹の『龍』で敵わない。

 ならば増やせばいい。

 一人が一匹になるために、ハドはその能力を使う。


「『龍帝現身』」


三月の六日?まで外国のほうに行っているので更新はよくわからんとです


まあネットにつながれば改稿とかしたいなと思いますけどね

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