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番外編 終わらぬ悪夢(仮)

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!

 これは夢だ。俺は夢の中にいる、それがわかる。夢でなければならないんだ。今、俺は仲間から別れを告げられている。


「兄ちゃん、私この人と結婚するんだ!だからバイバイ」


「お兄さん、私理想の人を見つけました。今までお世話になりました!」


 あれだけ俺に懐いてくれていたのに……。そんなにアッサリと行ってしまうのか!?



「レンガよりも美味しい血の持ち主見つけたから今度からはそっちの方について行くね」


 ……まだ一緒にいた時間は短いが俺とお前の繋がりは血だけだったのか!?


 



「師匠!!また私に魔法を教えてくれるのですね!!ああレンガさん、私は師匠の下でまた魔法を教えてもらうからここでサヨナラね」


 俺と一緒に出掛けた時に見せてくれた以上の笑顔を、その師匠とやらに見せるのか!?



「元ご主人様、私の新しいご主人様がこのお金で私を買いたいそうです。あの方は私を大事にしてくれるので私はあちらに行きますね」


 待ってくれ!俺に悪いところがあったならちゃんと言ってくれ!!



 ……これは夢だ。絶対に夢だ。俺はこんな現実は認めない。俺はまだみんなと……。


「俺はみんなと居たいんだ!!」


 そう叫んだところで景色は見慣れた家の中となった。周りを見渡すと隣のベッドでサンとルナが寝ている。どうやら本当に夢だったようだ。


「すーすー。……兄ちゃん」


「また女の人と一緒に……」


 二人が何か呟いたので起こしてしまったか?と思ったがどうやら寝言のようだ。

よく聞き取れなかったがルナ、俺はそんなに女遊びしてるように見えるか?

 さて、夢だったみたいだし安心した。時間はまだ夜中の三時ほどのようだし、寝直そう。もうあんな夢は勘弁してくれよ。



「のうレンガよ、二人きりになってしまったの。……その、少し照れるの。今日からは儂とお主の水入らずの生活じゃな」


 ……。これは夢だ!こんな現実があるものか、俺は絶対に認めないぞ!!


「嫌だぁぁぁ!!」


 またもや叫んで景色が家の中となる。また夢を見ていたようだ。……悪夢の連続かよ!なんでハド爺とフラグ建ってるんだよ!明日まともにハド爺の顔見れるかなあ。

その後は悪夢の恐怖のため眠ることはできなかった。


 翌朝、サンとルナを起こすと二人が俺に引っ付いてきた。どうやら何か嫌な夢を見たらしい。


「兄ちゃんと離れちゃう夢だったの……」


「お兄さん以外と結婚する夢でした……」


 俺と同じような夢を見てしまったのか。俺も二人と離れるのは嫌だったが二人とそうだったようだ。何だか嬉しいな!



 一応、他の仲間にも聞いて見たが、別に夢は見ていないらしい。そうだよな、全員同じ夢なんて見るわけないもんな。


「おはよう、みな今朝は早いのぅ」


 ハド爺も起きてきたようだ。俺にとっては気まずいが、向こうはそんなこと知らないものな。あまり変な態度は取らないようにしないと。


「おはよう、何だか眠そうだな」


「う、うむ、レンガか。いや、その何じゃ。少々夢を見てな……」


 ……この反応。嫌な予感しかしない。


「ま、まあ儂はお主と二人になっても変な気は起こさんからの。安心せい」


 やっぱりそうか……。何でハド爺も同じ夢見てるんだよ!

気を取り直そう。


「お、今日は美味しそうなスープじゃないか。パンに良く合いそうだ」


「たまにはパンを食べるとしようかのう」


 テーブルの中央のカゴに入れられていたパンを俺とハド爺が同時に手に取る。


「「……あ」」


 俺とハド爺の手は重なり、お互いすぐさま引っ込める。


「ハ、ハド爺、先に食べろよ。あまり普段はパンを食べてないんだろ?」


「そ、そうじゃな。では頂くとしようかの」


 何でこんなに慌てなきゃいけないんだ。見れば食事に夢中なサンとルナを除いた仲間は不思議そうな顔をしている。


「ハド殿、その…レンガ殿と何かあったのか?」


 イチイまでもが俺達に何かあったのか訪ねてくる。いや、何もないんだ、なかったはずなんだよ!



 その日一日は何かあるたびにハド殿と手が重なったり、二人きりになることが多く、そのたびに気まずくなってしまった。……なんだこれ、付き合いたての中学生かよ。

 昼食時に俺とハド殿が火おこしの当番となり、またもや二人きりとなったときであった。


「のうレンガよ。」


「……なんだ?」


「この際じゃ、いっそのことそういう仲になってしまうか?」


 待ってくれ、こういうのは自然消滅する流れだろ。何でそんな事言うんだ。


「そ、そういう仲ってどういう仲なんだ?」


 万が一のことがある。まだ決めつけるのは早い。


「わかっておるくせに、男らしくないのぅ。実はの、儂は最初に会ったときからお主のことが……」


 やめろ、それ以上言うな。取り返しのつかないことになる。


「最初に会ったときから……」


「ストォォォォップ」


 またもや叫んだところでベッドの上で目が覚めた。どうやら夢であったようだ。今度こそ現実世界デいいんだよな?信じていいんだよな?

 窓を見ると朝日が登りかけており、そろそろみんな起きる時間に近いようだ。正直、疲れはとれてない、むしろ寝る前より疲れているくらいだ。


「朝食の準備でもするか……」


 調理場へと向かうと、ハド殿が先にいた。

 向こうを向いていたハド殿がゆっくりとこちらを向く。


「のうレンガよ。その……こうして二人きりじゃと照れるのぅ」


 この反応は駄目だ!夢だよな?また叫べば目が覚めるんだよな?


「レンガよ、儂と……」


「夢だろ?夢なら覚めてくれー!」



『夢』というわけでもないですけどね

まあ、正夢にならって夢関係の話です

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