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5話 相棒の強さ

タイトルですが、何かいいのありませんかねえ。作者にネーミングセンスがないので適当につけたのですが、いいのあれば採用します。

 なにやらガラの悪い三人が絡んできた。とりあえず無視しておこう。


「おい兄ちゃん、お前だよお前。何シカトしてんだよオラァッ!」

 

 その中で一番体がでかい男が殴り掛かってきた。うおっ、危ねえな。俺は間一髪よけることができた。


「チッ何よけてんだよ!さっさと殴られて有り金すべてよこせや!」

 

 殴られるのも嫌だし、金を奪われるのも嫌だ。てか、ギルドはこんな横暴を許しているのか?


「レンガさんすいません、彼は『倍』という漢字を所有していてギルドでは手がつけられないんです!『倍』は保漢者の力を倍にするという非常に強力な漢字です!」

 

 俺の視線を受けて、さっきの受付嬢が説明した。


「なら俺がこいつらを倒してしまっていいか?」

 

 なんかやられるフラグになっちまったが。まあいい練習台になるだろう。手に入れたばかりの『鼠』も使いたいし、俺だって高校時代は空手をやっていたんだ。こいつらに勝てないようではどのみちこれからの冒険ではやってけないだろうしな。


「おいおい兄ちゃんが俺らに勝つつもりなのか?いい度胸だ。特別に半殺しにまけといてやるよ」

 

 ギャハハと彼らは笑う。


「で、ではギルドの拳闘場に来てください。ここでは他の方々に迷惑がかかります」

 

 ギルドの職員らしき男が震える声でそう言った。確かにここではギルドを壊しかねない。あいつは明らかなパワータイプだしな。



「特別にハンデをやろう。俺たち三人だけで相手をしてやる」

 

 どこがハンデだよ。あいつらにとってのハンデか!

 さて、俺の所有してる漢字で『肝』はおそらく闘いには向いてないな。ということは俺と『鼠』で闘うことになるのか。『鼠』を鑑定してみないとな。



―― ――(名前を決めてください)

分類:『鼠』

所持スキル:分裂 未公開 未公開


 

 名前を決めるのか。そういえば呼び出して闘わせるんだったな。森で倒したしフォレスト……フォルだ。『鼠』の名前はフォルだ。


「来いフォル!」


「チチィッ」

 

 俺の前に栗鼠がでてきた。こいつがフォルか。ドブネズミだったときと大違いだ。


「動物型の多くは所有する前よりも弱体化します。おそらくそれに伴い姿も変わったんでしょうね。あの、せめてこれを使ってください。古いものですが、ないよりはましでしょう」

 

 俺がフォルの姿に戸惑っているとギルドの職員が教えてくれた。延々と繁殖していたらそらえらいことになるしな。当たり前か。さらに職員は盾を貸してくれた。

 丸腰の俺を心配してのことだろう。ありがたい、さすがに斧を腕で受けるわけにはいかないからな。


「そろそろいいか?ついでにその『鼠』ももらってやるよ」


 漢字の所有権を移せるなんて話きいてないぞ。見ると職員も首を横に振っている。

 ああ、こいつらが馬鹿なだけか。


「漢字は保漢者が死なない限りは離れません。もしかしたら彼らはあなたを殺す気があるのかもしれません……。拳闘場でお互いに了承した闘いで人を殺しても厳重注意だけになってしまいます。気をつけてください!」

 

 さすがに殺し合いはしないだろうと願いたいがな。


「フォル、後ろの二人は任せていいか?俺はあのでかいやつの相手をする」


「チュイ」

 

 フォルはあっという間に100匹ほどに分裂して後ろの二人に飛び掛かっていった。二人はあまりの数に混乱している。……こいつ俺のときよりも全然強いじゃないか。本当に弱体化してるのか?


「丸腰で俺様に向かってくるとはな。あの『鼠』がいなくて大丈夫なのか?」

 

 男が挑発してくる。そういやこいつの名前も知らないんだったな。

 実は先ほどからずっとこいつから目線は外さないようにしていた。そろそろ1分か。


――チンピラ――

所有漢字:『倍』

所有スキル:なし

状態異常:酩酊(軽度)


 

 こいつの名前そのままかよ!しかも酔っぱらってんのか。

 鑑定できたってことはあいつが俺とあいつの強さにそこまでの差はないはずだ。


「いくぜっ!おらぁっ!」

 

 チンピラは掛け声とともに斧を振りかざし、こちらに突進してきた。

ちょ、斧って、まともに当たったら死ぬじゃん!てかまともに当たんなくてもやばいじゃん!やっぱ殺す気満々かよ。

 くそ、これで『倍』を使われたらかなりやっかいだぞ。


「おらっおらっ!」

 

 チンピラの斧を俺は紙一重でよけていく。

 高校の空手部で足さばきを中心にした練習をしておいてよかった。やつは斧をめちゃくちゃに振り回すから軌道が読めない。よく俺よけられるな。

 今朝の体力といい、やはりこちらの世界に来てから身体が強くなっているようだ。

 それでも、武器を用いた闘い方はそんなにわからないんだが、素人の攻撃ってこんなによけやすいのか?剣道をやっておけばもっとよかったんだが。


「よけんじゃねえぞ!」


「じゃあこちらも攻撃に移らせてもらうぞ」

 

 俺はやつの攻撃の隙間をくぐり打撃を繰り出す。打撃といっても闘いの素人のパンチとキックだ。何回これを繰り返せばチンピラは倒れてくれるのだろうか。


「てめえ、痛えじゃねえか」

 

 は?今の攻撃は別に全力でもなかったぞ。むしろジャブのつもりだった。こんなので痛がるのは学校のいじめられっ子くらいだろう。まさかこいつ……。


「おい、お前の攻撃じゃいくら斧を振ってもこっちのは当たらない。『倍』とやらの力を見せてみろ」


「そういや俺たちもチンピラの兄貴の漢字の能力を見たことがなかったな」


「お前もなのか?てっきり俺だけかと思ってたが」

 

 いつの間にかフォルに倒され大量のフォルに下敷きにされている取り巻き二人がそんなことを言った。

やはりな。俺は確信した。


「……ふん、お前程度のやつに見せるほど俺の『倍』は安い能力じゃない」


「いいや、安い能力なんかじゃない。お前、すでに『倍』の力を使っているな?その筋肉や体力、体の大きさまでもがすでに倍になっている姿なんだろ?」

 

 そう、やつはもとはひ弱な人間だったに違いない。『倍』に選ばれてその力に過信したからこそそれ以上強くなる努力をしてこなかったのだ。倍になった力で俺よりも力があるしな。


「それが!なんだっていうんだぁ!」

 

 チンピラは大きく斧を振りかぶり俺に向かって振り下ろした。

俺はやつの一撃を盾を斜めにすることで受け流した。やつの斧は地面にささりやつはバランスを崩した。


「だからお前の力はもう分かっているんだ。これ以上強くならないならお前の負けだ。」

 

 俺はやつに渾身の正拳突きを鳩尾に入れた。きっとこいつはまともに闘ってこなかったんだろう。だからジャブでも痛みを感じていたのだ。

 チンピラは急所に拳を入れられ倒れた。そばに職員が近づきチンピラが気絶していることを確認する。


「ありがとうございました。『倍』の力を使ってこの程度ならこれからは他の冒険者も安心するでしょう」


「この程度って、こいつの強さはどのくらいなんだ?」


「はい、チンピラは『倍』があるからこそランクDの冒険者でした。しかし、倍になってこれならランクEくらいでしょうね。ちなみにあの二人もランクEです」

 

 まじかよ、あいつ実は取り巻きとそんなに強さ変わらなかったのか。それを二人まとめて倒したフォルって…

 ともあれ俺はチンピラ達を倒したことで周りの冒険者たちに一目置かれるようになった。

また、ギルドから迷惑料としてチンピラ達が今までに奪っていった金品の一部を俺にくれた。その額30万エン也。あいつどんだけカツアゲしてたんだよ。まあ保漢者ってだけで恐れられるものなのかな。


ついにマスコットキャラクターの登場です笑

次はヒロインがほしいぞい

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