43話 吸血鬼
仲間の勧誘の仕方がわからない
「私が150歳に見えないって顔をしているわね。そうね、レンガは鑑定は持ってる?持ってたら私を鑑定してみて」
俺はさっそくカルミアを鑑定してみる。
-カルミア-
所有漢字:『血』『吸』
所有スキル:アイテムボックス
状態異常:成長停止
特記事項:蝙蝠の獣人
これの成長停止が150歳という理由か?しかし、血、吸、蝙蝠ってまるで……
「言っておくけど、私は吸血鬼じゃないわよ!私は鬼じゃなくて人よ!」
「わかってるよ。俺はこの間本物の鬼に出会って闘っているからな。鬼はもっとごついやつだったぞ」
「当り前よ。こんな可愛い鬼がいるわけないじゃない」
自分で言うかよ。確かに、カルミアは美少女である。背中まで伸ばした銀髪はよく似合っており、その髪から覗く黒い羽も銀色の髪とマッチしている。口を開くと見える八重歯も子供ながらの小さい歯で触りたくなる。うん、可愛いな。可愛いが……。
「150歳のくせに子供ぽっくないか?」
「仕方ないのよ。成長停止は身体だけじゃなく精神もある程度までしか成長できなかったのよ。おかげで通常状態での精神力も低くてまともに闘えないのよ」
それは可哀想なことである。特に胸元の寂しさとかな。俺の視線に気づいたのかどうかはわからないが、
「でも幸いなことに成長が止まるまでは胸だけは周りよりも大きかったからね。これでも見た目が同じ子供なら胸だけは大きい自身があるわよ!」
「いや……どう見ても……。サン、ちょっとこっちに来なさい」
「なーにー?」
「な⁉私よりも……」
「お兄さん、また胸のことを!いいからカルミアの話の続きを!」
カルミアのせいでルナに怒られてしまったじゃないか。まあ、当の本人は胸を自慢した後にサンを見て絶望していたがな。いや俺からすると三人ともそこまで大差ないと思うが。
「それで?血を吸うというのはどういうことなんだ?」
「……負けた」
「おい」
カルミアの頭にチョップをする。その衝撃でカルミアはこちら側に気づいたようだ。
「まあいいわ。私が血を吸う理由ね。それは私が『吸』を所有したときだったわ」
カルミアはもともと『血』を産まれたときから所有していたわけであるが、能力も出血した時に血が止まるのが早かったり多少の出血でもすぐに血が増えるといった回復系の能力であった。しかし、12歳の誕生日で両親と大聖堂で漢字の適性を見たときに『吸』に選ばれてしまったことが悲劇の始まりであった。『吸』は初めに何かを吸いとることで保漢者の力に変えるのだが、幼かったカルミアはよりにもよって血を吸い取ってしまった。それ以降、血以外は吸えなくなり、『吸』は『血』と強制的に反応してしまい、カルミアは血を吸うことで永遠の若さを手に入れ、血を吸わないと衰弱してしまう身体へとなってしまった。血を吸う量はそこまで多くなくてもよいので今のところはばれないように周りから吸っていたが、数年経ちさすがに成長しない我が子を心配していた両親にばれた。血を吸うという人ならざる行為をしていることは自覚していたので、このままではどうなるかわからないとカルミアは両親のもとから逃げた。それから100年以上、彼女は一人で生きてきた。血を吸う量はそこまで多くなく、時間も短いため今までは吸われた人間も貧血だと思っていたようであった。だがさすがにこの街に長くいすぎたため、クエストが発行されてしまったようであった。
「可哀想です。お兄さん、どうにかできませんか?」
いや、俺だってできることとできないことがあるぞ。カルミアの成長停止を消すことなんかできないし……。
「カルミアはこれからどうするんだ?」
「そうね、他の街にでも行こうかしら。近くには別の国もあることだし」
カルミアの成長停止に関しては俺は何もできない。だが、血を吸うということを俺が有りだと考えてしまえば問題は解決する。
「カルミア、俺たちと一緒に来ないか?血なら俺がわけてやる。」
「いいの‼……でも、血を吸われるのって普通嫌なことなんじゃないの?」
「俺は別に気にしないさ。それにそんなに痛くないんだろ?俺も血を増やす能力はある。好きなだけとは言わないが、多少血が減ったところで問題ないさ」
『肝』の能力である『死灰復燃』は身体だけでなく血でさえも再生する。精神力は使うが腕を丸ごと再生するわけじゃないしな。
「俺たちと来いよ。カルミアは強いんだろ?ピンチの時は俺たちを助けてくれよ」
「しょうがないわね!そこまで言うのなら私もついていってあげるわ!」
7人目の仲間か。大所帯になってしまったが、馬車は広いし子供の一人くらい大丈夫だろう。お守りするのは……俺なのかなあ。
合法ロリっていいですよね
金髪キャラ多いかなって思ったので、銀髪に変更します