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42話 新たな出会い

書けるうちに書いてしまえと思いまして

「はい、こちらが『鬼』攻略と『村』発見の報奨金になりますね!受け取りはパーティーリーダーのレンガ様が一括で受け取りますか?」


 辿り着いた街-ミナ-にあったギルドの職員は活発そうな女の子であった。

 む、どうしようか。ここは個別で受け取って個人の金としようかな。サンとルナにも小遣いは必要だろう。ほしいものがあるたびにねだる姿も可愛いが、自分で好きに買い物する楽しさを知ってもらいたい。


「悪いが6等分してくれるか?」


「かしこまりました!」


「ご主人様、私は奴隷ですのでお金など……」


「ジニアも鬼退治がんばっていただろ?いいんだよ、何かほしいものでも買うんだ」


「はい!(ご主人様に何かプレゼントしよっと!)」


「そういえば、全員冒険者として登録しているんだったよな。今どのくらいになっているんだ?」


 ハド爺、ジニアはもとから、サン、ルナは『家』で、アネモネは漢字の旅の直前で登録してある。そのときは三人ともGであったかな。


「そうですね……レンガ様はBランク、サン様、ルナ様、アネモネ様、ジニア様はCランク、ハド様はAですね!」


「Bランクに上がったのか。Aランクまではあとどのくらいなんだ?」


「Aランクに上がるには国に認められることが必要です。レンガ様が今までクリアしてきたクエストですと、まだ足りないようですね……」


 国に認められるか。ハド爺は王の警護をしたことがあったんだっけか。王に会える機会があれば良いってことかな。


「この街で受けられるクエストで何か良いのがあるか?できれば街の中で観光と兼ねられるものがいいんだが。報酬は気にしない」


「そうですね……。今日発行されたもので、市民が突然倒れる謎を解いてほしいというクエストがありますね。被害者もすぐに意識を取り戻しているので危険はないと思われますよ。調査をするだけでも、少ないですがお金はもらえますがどうしますか?」


「そうだな……期限はいつまでなんだ?」


「一週間たって何も進展がなかった場合はそれで終了となりますね。このクエストは一人でもパーティーで受けても報酬は変わらないのが申し訳ないですが……」


「いやそれでいい、受けよう」


 このクエストなら調査しながら遊べるだろう。ギルドでクエストを受け、宿屋に向かう。



宿屋はそこそこ良い場所をギルドで教えてもらった。報酬金を多くもらえたので各自で部屋をとろうかと思ったが、サンとルナの希望で俺たち三人は一緒の部屋、あとは一人一部屋となった。ジニアも経済的負担を考えて俺と一緒が良いと言っていたが、さすがに年頃の女の子と一緒の部屋は怖い。アネモネがこちらをにらんでいるしな。たまにはジニアにも羽をのばしてもらおうか。


「荷物を置いたらさっそく街を歩いてみようか。全員で動くのもなんだし、ばらけよう」


「それなら儂は一人で行かせてもらおうか。夜には戻るからの」


 そういってハド爺は出かけて行った。まあ何かあってもハド爺なら一人で対処できそうだしな。


「ジニア、私と出かけない?女同士、服でも見ましょう」


「え、でも私はご主人様と……」


「(可愛い服を買ってレンガさんに見せてあげましょ!)」


「(そ、それなら)私、アネモネちゃんと出かけてきます!」


 最初は俺と出かけたがっていたジニアだったが、アネモネが何かささやくと途端にアネモネと出かけると言い出した。まあ、二人もゆっくり楽しんできてくれ。


「サン、ルナ、行こうか」


「うん!」


「はい!」


 俺は両手でそれぞれサンとルナと手をつなぎ、街を歩く。途中で二人は道行く人にお菓子をもらい上機嫌である。まだまだ子供だな。


「ここが報告にあった場所か」


 人が倒れた場所というのはどれも路地裏や人通りの少ない場所であった。そのため、強盗が疑われたのだが、被害者は何も取られていないという。


「今日は路地裏を中心に見て行こうか。頑張ったら明日は二人の行きたい場所にしていいからな」


「じゃあじゃあ、おいしいものが食べたい!」


「私も食べたいです!」


「それじゃあ今日はしっかりと働いてもらうからな」


「「はーい!」」


 二人が良い返事をしたところで俺たちは路地裏を手分けして見て回った。念のため、二人には一緒に行動してもらい、俺からもそんなに離れないように言っている。それと、こういうときはフォルの出番だな。フォルを召喚し、分裂してもらう。


「フォル、何かあったり、怪しい人がいたら俺に教えてくれよ」


「チィッ!」


 俺はフォルを数匹、身体に忍ばせ路地裏を見てまわる。そうして数分経ちそろそろ場所を移動しようかと二人を探し始めたとき、


「チチぃッ!」


 フォルが何かを発見したようだ。フォルはどこから現れたんだというくらいあちこちから現れて、一か所に向かって行った。俺は様子を見ながら大量のフォルに歩み寄って行く。およそ百匹ほどのフォルの下敷きになっていたのは、少女であった。サンとルナと同じくらいの年か?


「いった~。ねえ、この栗鼠どかしてくれない?」


「どかす前に答えてくれ。お前は俺に何かしようとしたのか?」


「もちろん!あなたの血を少し吸わせてもらおうかと思ったのよ!あ、別に心配しないでもいいわ。少し気を失うくらいだし、傷も残らないから」


 こいつが犯人で間違いなさそうだな。話した感じではそんなに悪い奴じゃなさそうなんだが……。


「フォル、こいつからどいてやれ。そのまま俺のそばで待機していてくれ」


 フォルが少女から離れ、少女は立ち上がりそのまま身体をひねったりしストレッチを行う。


「うーん、重かったあ」


 丁度ひねったときに、少女の背には小さな黒い羽が生えているのが見えた。獣人なのか?


「俺はレンガ、冒険者だ。あっちにも俺の仲間はいる。お前がなぜ血を吸っているのか教えてもらえるか?」


「そうね、逃がしてもらえそうにないし、いいわよ。その代り、言いふらさないでね?言っておくけど私けっこう強いんだから。言いふらしたらあなたのこと、どうするかわからないわよ」


 さっきまでフォルの下敷きになってたやつが何を言うか。まあいい。


「別に言いふらしはしないさ。俺の仲間は呼ばないほうがいいか?」


「呼んでもいいわよ。私は人が増えようとそのくらいなんともないから!」


 だからなんでこんなに強気でいられるんだよ。俺はサンとルナを呼び、二人に何があったかを説明する。どうやら大人しくこいつの話を聞いてくれそうだ。


「まずは私の名前からね!私の名前はカルミア!丁度今年で150歳になったわ!」


 と、見た目は12歳ほどの少女は言った。


新しいヒロインも幼女ですが何か?

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