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41話 敵の存在

ほぼ主人公たちでてこないです

【???視点】とある王国にて

「我らが王よ、例の件だが……」


 王座に座る王と呼ばれた男の前に跪いた男が報告する。彼らの国の未来を左右するかもしれない件であるのだが、


「例の件とな?ありすぎてわからんぞ。もしや、他国への侵略の準備が整ったのか⁉」


 だが、王には通じていないようだ。例の件と言わずに普通に言った方が良かったと男は後悔する。


「……失礼、私が言いたかったのは侵略の準備のほうだ。例の件とはヒシバの兵集めのことなのだが……。どうやらヒシバは殺されたらしい」


 ヒシバ、それはかつて『屍』を所有する保漢者であり、レンガが殺した者の名である。


「な⁉それでは予定していた死なない兵団はどうなるのだ‼ゾンビは単体でこそ弱いが、数と致命傷でも動けるという利点で侵略作戦には必要だったのだぞ!」


「他に代わる者を見つける他ないだろうな」


王と畏まっているわりには先ほどから敬語は使えわれてはいない。この二人は王とその兵よりも仲間に近しい存在なのかもしれない。


「誰だ!ヒシバを殺したのは!」


 王はかなり怒っているようだ。この王、戦事が好きで、毎年他国を攻めているのだが、今年攻めようと思っていた国は今までよりも大きな国のため、兵が必要であった。そのため、ヒシバに『屍』を使い兵を集めるよう命令し今か今かと待っていたのだが、ヒシバの死によりそれも無駄となってしまった。


「調べによると、レンガという男とそのパーティーらしい」


「そいつらを探せ!俺が直々に殺してくれるわ!」


「王よ、待たれよ。現在そいつらは隣国の我が国に接した街に向かっているらしい。ならば現在侵略しようとしている国を延期し、そちらを攻めるのはどうだろうか?」


「ほう。そいつはいいな。よし、他の3名……いや、ヒシバが死んでしまったから2名に召集命令をかけておけ。それと、ヒシバの代わりを見つけておくのだ。多少弱くてもよい、俺らは5人そろわなくてはな」


「五芒星の集結ということか。一年ぶりだな」


 そして王座の前から男は消えたと思うほどの速さでいなくなった。


【???視点】とある砂漠にて

砂漠にはある国があった。そこは原住民を捕らえ奴隷として売り、その金で成り立った国であった。だが現在、その国は壊滅していた。あちこちから煙があがるその国から出てきたのは七つの人影。“彼ら”は何もかもがばらばらであった。年齢も体格も性別も見た目も、能力も。“彼ら”に共通するのは、ある一つの漢字であるということだ。“彼ら”は漢字ではあるがたったの七人である。当然、国を相手に闘うのに戦力不足のように思える。兵士たちは最初は彼らを無謀と笑った。だが、“彼ら”の前には数も力も速さも武器も思考も健康も若さも意味がなかった。やがて、兵士たちは逃げ出そうとした。だが、“彼ら”はその逃げ出そうとすることさえも封じる。そうして、やがて国は壊滅した。ある場所では衰弱死、ある場所では全身を武器で串刺しに、ある場所では老死など国民の誰一人として生きている者はなかった。


「次はどこへ行こうか」


「この老体で行ける場所ならどこへでも」


「今はお婆ちゃんじゃないじゃん」


「ねー。今は美人のお姉ちゃんだよねー」


「腹が減った……」


「眠い……。スピー、スピー」


「うるせえぞ!そしててめえは寝てねえで自分で歩け!何で俺が背負わなきゃならねえんだ!」


 “彼ら”が国を壊滅させた理由、それは奴隷を売っていたということのみ。ただそれだけで国にいた者すべてを殺した。国王も大臣も兵士も国民も冒険者も旅人も奴隷でさえも“彼ら”からは逃げることはできず殺された。“彼ら”にとってその国にいることそれだけで死の対象になっていた。


「我らは決して許されない」


「だからこそ誰も許さない」


「誰しもが罪を抱える」


「だから我らは殺す」


「殺し続ければいつかは許されるのだろうか」


「いいや、誰も許してはくれない」


「許してくれる存在さえ殺すのだから」


「「「「「「「我ら『罪』に安らぎの時はない!」」」」」」」




【???視点】とある地にて

それらの存在は神に近しかった。だが、神ではあらず、神の下僕のような存在。彼らは四つの場所をそれぞれ守護していた。いつか神が自分たちを褒めてくれるだろう、ただその時を待って。それらはそれぞれ鳥、竜、亀、虎のような姿であった。それらはその地に近づく者を排除することのみが存在理由であると信じていた。神より任された大切な場所であり、汚らわしい存在をその地に入れることなど考えたくもなかった。

鳥は空を飛び、火を吹き、たとえ攻撃されようともその傷は治っていく。

竜はあるときは河を氾濫させ、その咢でかみ砕き、長い体躯にある鱗には傷はつかない。

亀は泥を操り兵をつくり、その巨大な体で押しつぶし、強固な甲羅に閉じこもる

虎は誰も追いつけず、牙で体を食い破り、近づく者は虎の周りに浮遊する鉄に触れ感電する。


 かろうじて逃げ出せた人間はそれをギルドに報告し、それが四方向にあることから四神とし、朱雀、青龍、玄武、白虎と称した。その地に近づかなければ危険は少ないと判断し、その地は封鎖された。稀にその地に領土を広げようとする国もあったが、出兵した兵は誰も帰ってこなかった。それ以来誰も近づこうとするものはいなかった……。




【???視点】ある街にて

「この街を超えると別の国になるようよ」


「ほう、どんなところなんだろうな」


「ここを出たら行ってみるとするかの」


 レンガたちが五芒星のいる国に近づいていた。彼らは敵がすぐそこにいることにまだ気付いていない。


最後の敵に関してはいつ出るのかもわからないです。ラスボスに等しいんだもん。そんくらい強い。

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