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生きたレーダーのお話  作者: しうか
2章 過去のお話 ゲーム開始時
8/26

7 第一回 植民地争奪大戦争 2

前回のあらすじ

アンジェリカ「NPC狩りちょー楽しいっす!」

ファーレン「コレがバグか!」

グッピー「主人公恐ろしい娘!」

side レムルス PSA商会会長



 表示される『VICTORY』の文字。何が起きた!?


 『こちらUBA、何が起きた?』


 「こちらレム、なぜか勝ったな。ココさんわかるか?」


 『こちらココ、一応空母で録画再生できるはず。あとで確認してみ『こちらEAPグッピー、そこの3機危険なのでベイルアウトして戻って他のチームとの合流を愚申します。』』


 EAPの共同回線?グッピーって人がなんかしたのか?とりあえず戻るか。


 「…こちらEAPレムルス。協力感謝する、グッピーさん後日連絡させてくれ。各自ベイルアウト!空母で集合!」


 『グッピーラジャ』


 そういえば初めてベイルアウトするな…。訓練はしていたが…。どうなるんだろう(カチッ)


 キャノピーが吹き飛び上空に放り投げられたと思ったら空母に戻っていた。海水浴かと思ってたんだが…。さすがゲームというところか…。


 「ただいま。みんな揃ってるみたいだな。終わるまであと30分あるみたいだが、一応何があったか確認したい。全員それでいいか?」


 みんなうなずいてるところを見ると気になるんだろう。勝てる方法が見つかるかもしれないしな。チーム用の会議室に移動してさっそくさっきの戦闘データの映像を再生する。

 あっという間に4機落とされ、ココさんが2機ひきつけてマルゴンさんが俺の護衛をしつつUBAさんが敵機を狙う…。さっきのままだな…。


 この戦闘データは3Dマップで戦闘フィールド内全ての状況が表示され敵味方の無線内容も再生されるようになっている。つまり新しい戦術の模倣、開発や通信内容の効率化を行えるようになっている。半年後に実装予定の設定名称:模擬戦でも使えると運営からアナウンスがあった。


 敵の動きを見ていると全員がUBAさんのような熟練度に見える。やはり数も錬度も向こうが上か…。通信内容も航空無線みたいでかっこいいな…。マネできないかな…?でもぶっちゃけ何言ってるかよくわからないしな…。そろそろか…?俺の機体が戦闘エリア離脱まであと30秒くらいのところまできた…。


 「あっ!」


 ココさんが指差しているところを見てみる…。何かあった気がする…。そして数秒後に『VICTORY』の文字。


 「今のところスローで見てください!何か落ちてきました!」


 ココさん以外のみんなが眉をひそめながら再度ラスト20秒くらい前からスロー再生してみる。一応最大スローでいいか…。………問題のシーンまで長いな。静まった部屋にスローで間延びした声が続く。時間も見ておくか。


 「ストップ!ほら!ここ!」


 …確かになんかあるな。紅白の旗付き棒みたいのが…。全員で回り込んで見てみたら細長い戦闘機だった…。確かF-104っぽい何かってよく言われている戦闘機で俺たちが使っているF-8っぽい何かと設定性能数値を比べてみたらひどかったので一瞬で候補から消えたヤツだ。


 「おいおいおいおい。戦闘機?なのか?派手なペイントしてるが…。」


 「ちょっと待って?ということはコレがグッピーさん?」


 「すごい人もいたんだな…一応スローで最後まで見てみよう!」


 最大スローで他の機体がノロノロ動いてる中でその戦闘機だけはサクサク進んでいる…。『いぃーたぁーだぁーきぃーま』と間延びした声が聞こえたと思ったら敵のリーダーが爆散。そして『VICTRY』…。


 「グッピーさんの声とは違うようだが…?」


 「そうですね。UBAさんはどう思います?」


 「恐らく女性の声だが多分違うな。というかコイツはこのあとどうしたんだ?どう考えても引き起こせないだろう。ベイルアウト前提の特攻か?」


 「グッピーさんが知っているといいな。しかし戦闘エリア進入から3秒もないぞ?どうなってんだ?これ。」


 「恐らくなんだが…。高高度、それも限界ギリギリで待機していて真下に敵機が来たら観測しているグッピーさんか誰かに連絡を貰って垂直降下。加速しつつバラバラになるギリギリの限界速度で突入してリーダーだけをバルカンで撃破。そのあと海面に接触する前にベイルアウト。

 ぐらいしか思いつかんが…。敵機に発見される可能性や突入前に妨害されるリスクもある。

 まぁ今の俺には無理だな。どうする大将?」


 「なんかこの人だけで海上封鎖になりそうなんだが…。俺たちの苦労は一体…。なんかやる気失くした。俺帰る。会社帰る…。」


 「いや、せっかくの大戦争なんだからこのやり方でやってみましょうよ!できるできないはともかく練習しておけば次回には稼げそうじゃないですか!」


 「いや、まぁそうなんだが…。みんなどうする?」


 乗り気なのはココさん、UBAさんにマルゴンさんか…。あとはみんな心折れたか…。俺なんか飛ぶだけで神経磨耗してるしな。1時間は長すぎだ…。


 「じゃあ、ココさん、UBAさん、マルゴンさんは継続で。一応経費で落ちるようにしてあるから。他の人も解散で。お疲れさまでした。」


 「「「おつかれさまでした。」」」


 「UBAさん、なんかいい方法ないかな?とりあえずウィングマンとしてついて行っていい?」


 「はい、せっかくだし3人一緒にやりましょう。たぶんこうだろうなって感じですがあと20分くらいありますし4~5回は可能でしょう。ベイルアウトミスらなければ^^」


 「うむ。次回が早くも楽しみだな。」


 楽しそうでいいな…。疲れた…。帰るといいつつログアウトした。


side out


 そしてこの日、初めてバグと言われていたものの正体が観測された




side ファーレン ファーレン商会会長 ファーレン傭兵部隊隊長



 ようやく大戦争が終わった。ポイントはニコが一番稼げたというより貰えたという感じか…。ポイントの設定上、撃破した相手の人数で換算されリーダーについては+2として換算される。戦車、小型艦船、重砲などは最低限運用するのに2人、効率などを考えるともっと多くのプレイヤーが協力することになる。

 攻撃機は海上から進入する必要があるが、予想される配備状況から恐らく攻撃機で戦車を撃破するのが一番おいしいだろうという予想が立てられていた。


 俺の航空部隊は戦闘機が主だったのでロケットを満載して海上の敵戦闘機を蹴散らしてそのまま侵入、ロケットで敵戦闘車両や重砲を撃破という方針が立てられた。一応戦闘に慣れているニコの5機編成が敵機を積極的にロケットで落とし、俺の5機編成が敵地でロケットを消化してニコたちと補給に戻るという作戦だった。


 合計12隻のNPC空母からNGIの戦闘機や攻撃機が飛び立ち、我先にと敵地に侵攻し、EAPの戦闘機が25機ほど見えた。もはやこの数の差なら俺でも落とせるかもしれんな。というか獲物の取り合いか?むしろEAPに同情する…。グッピーさんがあそこにいないといいな。などと考えていたらニコたちの部隊が戦闘エリアに入り、俺たちが参戦する間もなくあっという間に終わった。


 『グッジョブ』『HAHAHA 鴨だな…』


 などと無線で楽しそうな声が聞こえているが敵がほとんど他の部隊に食われて5機ほどしか残っていないようだ。死に戻ったとして次は10分後か?突破し終わって今度は俺が鴨料理を食ってる頃だな!


 『なんだか味方も減ってないか?』『そうか?』


 という無線が聞こえた直後、暗転して空母に立っていた。


 何が起こったのかよくわからなかった。さっきまで戦闘機のシートに座っていたはずだ。この感じ前にもあったな…。バグか!?あのバグがこのイベントでも起きているのか!?


 「ちょっとみんな休憩しててくれ。ニコ…。バグだと思うか?」


 「やられた感じはありませんでしたからバグの可能性がありますね。一応戦闘データを見てみましょう。」


 再生された戦闘データはわずか3秒ほどだった。始まったと思ったら3秒後に俺の機体だけ爆散。なんともこれは…。もし相手がプレイヤーなら先頭の5機編隊にいるニコが狙われる可能性が高いはずだ。俺がリーダーになっているが安全と思われる後方の編隊にいる。


 「何か一瞬通り過ぎましたね…。戦闘エリアが展開されてるなら敵機がいるはずなんですが…。」


 「一応始まってすぐにストップしてみよう。戦闘機がいなければバグの証拠として活用しよう。」


 「はい」


 再び再生された瞬間にストップし、ニコと二人で戦闘エリアをくまなく探す…。「あっ!」ニコが指差したところを見ると俺の機体の上空1000mほどのところに紅白の旗付き棒があった。


 コレがバグか!


 ようやくバグの証拠が!と思っていたらニコがマップの周囲をぐるぐる回りだす…。そして超スロー再生…。紅白旗付き棒がドンドン落ちてきたと思ったら俺の機体とわずかな隙間を残して交差。そして爆散。


 「なるほど…。これは…。可能なのか…?」


 「ニコ、何かわかったか?」


 「バグの正体がわかりました。全員集合。説明します。まずここ…」


 と言って開始直後にストップ、「回りこんでみてください。この機体はF-104っぽい何かと呼ばれている戦闘機です。」回り込んでみると確かに戦闘機だった…。


 「そしてそのまま隊長機をバルカンで攻撃、恐らくエンジンと燃料タンク、あとコックピットも撃ち抜かれてるかもしれません。そして戦闘終了。その後は海中にダイブする直前でベイルアウト。というところでしょうか…。」


 …これがバグの正体?あのときも上空は見ていた。だがこのスピードだとよほど最初からわかっていて注視してないと見えないかもしれない…。その後死に戻りなら発見もされないということか?なんてえげつない戦法なんだ…。確かにゲームだからいいんだが…。


 「なんというか…。すごいと言うべきか、仕様の穴をついてるというか、ゲームだからとしか言いようもないのですが、コレはひどい…。」


 「ニコ、俺もそう思う。どうする?あと20分ほどあるが…。」


 「一応対抗手段としてはダイブが始まる前に捕捉できれば、装備と人数の差で落とせるとは思いますが、かなり高空になりそうですね。最低限のロケットとバルカンだけで散開気味に索敵する感じですかね…。海面ギリギリで敵地に侵入というのもありますが、前回それでやられてますからね…。」


 20分後、結局広い上空でたった1機いるだろう戦闘機は見つからなかった。タイミングが悪かったのかもしれないが…。リザルトを見るか。散々だったが国として勝てれば問題ないしな…。



 総合ポイント:[NGI]425:[EAP]411:[PPL]435 

 判定 :3カ国引き分け 影響度の増減:微少

 MVP :アンジェリカ EAP 120

 2位 :モツ鍋軍曹チーム PPL 42

 3位 :☆姫様万歳☆チーム NGI 39


 アンジェリカ?もしかしてコイツがバグか?1回3ポイントだとしてあのダイブを40回もやったのか。2分に1回以上ダイブできるのか?仕様の穴でもあったんじゃないか?あとでグッピーさんに聞いてみよう。恐らくグッピーさんのいる植民地の近くでよくバグが起こっていたからそこの空港を拠点にしているに違いない。


 side end


運営さんの設定説明!

モツ鍋軍曹チーム:第二世代戦車 3人搭乗

☆姫様万歳☆チーム:第二世代戦車 3人搭乗

という感じで自動的にチーム設定になっています。



次回 運営「それがバグだ!」



個人的に好きなシーン。

ニコ「この機体はF-104っぽい何かと呼ばれている戦闘機です。(キリッ」

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