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夏生詩集2

生暖かいもの

作者: 夏生

凍てついた風


なにもかもすっかり


冷やしてしまって


生暖かいものから先に


奪ってゆく



身体すぼませて


一人で寒さを


受け止めて


しっかり踏み出せる


ようになったのは


いつの頃か



生暖かいものは


脆くて気まぐれで


武器にも包帯にも


ならなかった



在るのは自分のみ


と、生暖かいものを


思いきって取り払い


凍てつく風に


持っていかせて



震えながら


泣きながら


重い一歩を


引きずって


転んで立ち上がって


何度でも何度でも



生暖かいものなんて


その存在すら忘れて


しまった頃



強くなったね、と


言われるようになった






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