ギルド
遅くなりました。
そして、僕達は家から一番近い、アルベの街にたどり着いた。
「到着!」アルトが嬉しそうに言った。
「いつもより早く着いたな。いつもだと、朝出て昼に着くのに、まだ昼前だ」
「いいじゃん。余裕があって」
「封印が解けて、移動速度も増してるみたいだな」
「早くギルドで冒険者登録しようぜ!」
「わかったから、そうせかすな」こっちを引っ張って行こうとするアルトをなだめながら、歩き出した。そして、しばらく歩いてギルドの前に到着した。両親が、冒険者だから自分達も来たことがあるが、こうして見ると、やはり他の建物よりも一回り大きかった。扉を開けて中に入ると、受付の方から声をかけられた。「いらっしゃい。アスト君にアルト君。今日は、どうかしたの?」知り合いの受付のメリアさんだ。
「こんにちわ、メリアさん。今日は、冒険者登録に来ました」
「冒険者登録?もうあなた達もそんな時期なのね。わかったは、準備するから少し待ってね」そう言って受付の下から何かを取り出した。
「登録の仕方は、知ってるかしら?」この問い掛けに僕は
「いえ、知らないです」と答えた。
「じゃあ、順番にいくわね。アルト君も、一緒に聞いてね」「おう!」
「まずは、今用意したこのカードの上に血を2.3滴垂らして」
そう言われて、僕達は、カードに血を垂らした。
「いいわね。じゃあ次に、この空いている箇所に自分の名前を書きこんでね」
僕達は、名前を書きこんだ。
「出来たわね。じゃあ後は、このカードを登録用の魔法陣に入れて終わりよ」そう言ってカードを魔法陣の中に入れた。それから、5分くらい後に魔法陣の中のカードが輝き出した。
「出来たみたいね」そう言って魔法陣の中のカードを取り出した。
「はい、二人共これで冒険者登録は、終わりよ。後は、ギルドの規約の確認とカードの見方についてね」そう言って、カードを僕達の方に向けた。
「まずは、ギルドの規約からいくわね。
1 ギルドは、任意の個人、組織、国より出された依頼をランク分けし、冒険者に斡旋する組織である。2 依頼には、採取・討伐・護衛・サポートなどがあり、依頼を達成することにより、報酬が支払われる。
採取 指定された物を探しだし、指定された場所・組織・人物に届けることにより達成となる。
討伐 指定された対象及び数を倒し、討伐証明部位を提出することにより達成となる。
護衛 指定された人物・物・生物を指定された場所まで無事に送り届けることにより達成となる。
サポート 任意の人物の手助けを行い、依頼主から了承を貰うことにより達成となる。
3 依頼を受けたが、達成出来なかった場合、違約金を請求することとなる。ただし、依頼内容及びギルドが提供したアイテム・情報に致命的な問題が確認された場合は、この限りではない。
4 ギルドを通さずに受けた依頼に関しては、一切ギルドでは関知しない。
5 冒険者が問題を起こした場合、冒険者に批がなければ出来うる限り擁護するが、ある場合は、資格停止、ギルドからの除名処分、討伐対象として全ギルドに指名手配するなどの対応を行う。
6 冒険者は、税を納めなくてよいが、滞在している村・街・都市・国が魔物の襲撃を受けている場合、その場所の防衛に必ず参加すること。逃亡した場合、上記5と同様の対応を行う。
いじょうが、ギルドの規約になるわね。他にも、細かいのがいくつかあるけど、大体は今説明した部分で足りるわ。分からない事態が発生した時には、ギルドに相談してね。何か質問は、有るかしら?」「いえ、今のところないです」以外と細かいことに驚いたが、そう返事をした。「アルト君は、大丈夫?」
「駄目そうだから、後で兄貴に聞く」アルトは、頭を押さえてそう言った。
「そう、じゃあ次にギルドカードの説明に移るわね。カードに書かれている内容は、名前・年齢・種族・職業・ギルドランク・称号・スキル・加護・契約、使役している相手が表示されているわ。名前・年齢は、自分の名前と今の年齢ね。種族は、そのまま自分の種族よ。職業は、今自分がメインにしている戦闘の仕方によって、変わるわ。ギルドランクは、SからFまであって、いくつかの条件を満たすことで上がっていくわ、二人共成り立てだからランクは、Fよ。称号は、一定の条件を満たすことで手に入れることの出来る物で、持っている限り効果は発揮され続けるわ。スキルは、自分の意思で、任意に発動出来る力よ。加護は、別の相手から、自分に継続的に与えられる力のことよ。契約・使役している相手というのは、テイムしている動物・魔物、契約している精霊、所有している奴隷などのことよ。表示内容はいじょうよ。次に、カードの使い方ね。基本は、依頼の時と他の街や国に入るときに身分証明の為に使うわね。じゃあ、自分達のカード内容を確認してみてくれる」
「はい、わかりました」そう言ってカードの内容を確認しだした。
ーーーーーーーーー アスト 年齢 15種族 ヒューマン・???
職業 魔法使い
ランク F
称号 なし
スキル ゲームクリエイター ???? ??? ???? ???? ???
加護 なし
契約・所有 なし ーーーーーーーーーやっぱりというか、種族とスキルの箇所が封印のせいか、表示されていない。けれど、スキルのゲームクリエイターってなんだろう?戦ったりしてないから、スキルが解放されるわけがないのに。それともこれって、リディウスがくれた転生チートかな?よく分からないから、今は考えないようにしておこう。
「アルトは、問題あったか?」こっちは、見終わったのでアルトの方はどうか聞いてみた。
「一通り見たけど、分からないのがあるんだけど。兄貴の方は、どうなんだ?」
「カード交換して、確認しあうか?」カードをアルトに差し出した。
「ああ、頼むよ兄貴」アルトがカードを受け取り、自分のカードを渡してきた。カードを確認すると、こう表示されていた。
ーーーーーーーーー アルト 年齢 15種族 ヒューマン・???
職業 双剣士
ランク F
称号 なし
スキル 可能性収得 ??? ????? ???? ???? ???
加護 なし
契約・所有 なし
ーーーーーーーーーアルトの方にも、種族とスキルは表示されていない箇所があった。スキルにある可能性収得ってなんだろう?アルトにも、スキルがでているからさっきのも封印解放のときに使える様になったのかな?それとも、アルトも何か特別なのかな? 「兄貴の方も、俺と同じ様な内容だな」
「表示されていない箇所は、封印のせいだろうから気にしなくて、いいだろう」カードを交換してメリアさんに、確認が終わったことを告げた。
「確認終わりました、メリアさん」
「そう、じゃあこれで説明と確認は、終了よ。今日は、依頼を受けていく?」
「受けようぜ兄貴」
「今は、駄目。もう昼だから、先に宿をとって昼食を食べてからな」
「そういえば腹が減ったな」アルトは、腹に触りながらそう言った。
「メリアさん、昼食を食べてからまた来ます」
「そう、それじゃあまた後でね」
「はい、アルト行くぞ」
「わかった兄貴」
僕達は、ギルドをあとにした。