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廻る世界と星界竜  作者: 中野 翼
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ステータス確認調整

「ふわあぁっ」


次の日、目覚めた僕はあくびをしながら部屋を出た。部屋ではアルトがまだ寝ていたので、起こさないようにそっとドアを閉めた。


「おはようございますアスト様」


「おはようアスト」


部屋から出てすぐに、ビットとメガアルラウネに会って挨拶された。


「おはよう二人共」


僕も挨拶を返して、席に着いた。


そして、すでにテーブルの上に準備されていた朝食を見た後に二人に視線を向けた。


「二人共朝が早いな」


「従者としては当然のことです」


「私は基本的に植物だから、朝になると自然に目覚めるのよ」


「ふうーん。そうなんだ」


二人共モンスターの種族的な要素で朝が早いのか。


「そういえば、僕が寝た後話は何処までいったんだ?」


「そうですね。私の方からは、この場所がどういったものかの説明と、ここで暮らす為のアドバイス等を少々」


「私からは、私が知っている範囲の出来事と、私達がここに連れて来てもらった事情の説明をしたくらいよ」


「じゃあ、もう僕が話ことはないな。さてと、それじゃあ朝食をいただくとしようかな。うん?二人はもう朝食は済ませたのか?」


二人から昨日のことを聞いて、視線をテーブルの上の朝食に移した。さっきは気づかなかったけれど、テーブルの上の朝食は二人分しななかった。


「私はお二人の後でいただきますので気にしないで下さい」


「私の方は、光と水で足りているわ」


「ふうーん。じゃあさ、外にいるだろう他の魔物達やグラットは食事はどうしているんだ?」


「それならみんな適当に食べてますよ」


「ええ、この世界に実っている果実を思い思いに食べているわね」


「果実って。肉食のやつらはどうしてるんだ?」


「肉食の子達も果実を食べてるわよ」


「それって大丈夫なのか?」


なんかイメージ的には、腹を壊しそうなんだけどな。


「大丈夫ですよアスト様。果実を食べて問題があるなら止めていますから」


「それもそうか」


カチャ、ビット達と話ていると、後ろでドアが開く音がした。


「おはようアルト」


僕は後ろを振り向いてアルトに朝の挨拶をした。


「ふわあぁっ、おはよう兄貴。やっぱり兄貴の方が起きるのは早いな」


「まあ、僕の方が先に寝たからある意味当然の結果だろう」


「それもそうだな」


そう言って納得したのかアルトは席に着いて朝食を食べ始めた。僕も話が一段落ついたので、朝食を食べ始めた。


二十分程で二人共食べ終わったので、今日の予定について話し合うこととなった。


「兄貴、今日はどうするんだ?」


「一応、やることはある程度決まっているかな」


「へぇ、じゃあ兄貴は何をするんだ?」


「まずは宿を引き払って、ギルドで依頼達成の報告だな」


「それ以外には何があるんだ?」


「その他は、今の所は未定だな。アルトの方こそ今日、何かやりたいことはあるのか?」


「やっぱり昨日の兄貴みたいな冒険がしたいな」


アルトの目が異様に輝いている。


「冒険ねぇ。アルト、多分お前の期待どおりにはいかないと思うぞ」


「何でだよ?」


僕の言葉にアルトは不思議そうな顔をしている。


「こんな街の近くに、そんな高ランクの魔物がいるわけないだろう。いたら、いろいろな意味で問題だぞ」


いたら街が無事なわけがない。


「別に高ランクの魔物を倒すことにこだわりがあるわけじゃ無いぜ。ただ、せっかく冒険者になったんだから楽しいことがしたいんだよ俺わ」


「ふむ、それはそうだな。だけどアルト、休息も大事だぞ。父さんや母さんだって、一回冒険したら二日は休みを挟んだろ」


僕は両親を引き合いにだしてアルトの説得にかかった。


アルトはすぐにでも冒険したいらしいが、そもそも冒険者という職業は、毎日活動するようなものじゃないからな。武器や防具の修理、アイテムの補充に、傷や魔力の回復もしないといけないから毎日冒険するなんて、事実上不可能だからな。


「頼むからおとなしくしていてくれ、アルト」


「俺だって、兄貴の言うことの意味はちゃんとわかってるんだぜ。だけどさ、封印が解放されてから身体中に力が漲ってきて、じっとしてられないんだよ!」


アルトはそう言って握り拳をつくった。するとその瞬間アルトの身体から大量の魔力が滲み出て、周囲に放出された。


「うわ!」「なっ!」「きゃっ!」


僕、ビット、メガアルラウネの三人はアルトからはっせられた魔力に思わず驚きの声を上げた。


「なんだったんだ今の?」


アルトも困惑している様子だ。


アルトから放たれた魔力はすぐにおさまったが、今の一瞬だけ放たれた分だけでも、普通のやつらなら放つ側も受ける側もただでは済まない量の魔力密度だった。


「何だ今の?」


「わかりません。ですが、今のは・・・」


「何なのよ、今の魔力は、絶対普通じゃなかったわよ?」


確かに普通じゃなかった。あんな量の魔力を一気に放出すれば、放出したやつは普通ならただでは済まないし、魔法とせずに魔力としてあれだけの量の魔力をばらまけば、周囲のものが魔物化する可能性が高い。ここが僕の世界じゃなかったら魔物を大量発生させていたな。


「どうしてアルトからあんな大量の魔力が出てくるんだ?」


「それはまあアスト様の弟ですし、ユニークハイなのですからある意味当然なのでわ?」


「ああ!その可能性を失念してたな」


そうだよな、僕達双子なんだから。アルトにも僕と同じように、世界を作成出来るだけの魔力を持っている可能性は十分にあったんだよな。何で今まで気づかなかったんだろう?・・・原因はあれかな?アルトが魔法とかには一切興味を持っていなくて、今までは魔力を全く使用していなかったせいかな?


「アスト様、アルト様のステータスを確認したことはございますか?」


「いや、冒険者のカードで見たことはあるけど、自分のスキルでは見たこと無いな」


「確認してもらえませんか?」


「何で自分で確認しないんだ?ビットもクリエーターサポートでステータス確認出来るだろう?」


「私のでは、精度に不安がありますのでお願いします」

「ああ、そういえばクリエーターサポートって、僕のスキルの劣化版だっけ。わかった。《ステータス確認》」


僕はアルトにステータス確認を使用した。


「うわっ!!!」


僕の視界には、フレイムルビーや星魂のオーブに使用した時以上の膨大な量の情報が一気に表示されて目眩がした。


僕は慌てて、アルトから視線を外した。


「アスト様どうなされたのですか?」


「いや、情報量が多過ぎて目眩がしただけだ」


「アスト様が目眩がするほどの情報量が?」


「ああ、ステータス確認で生物を見るのはやめた方がいいっぽいな」


「調整は利かないのですか?」


「どうだろな?少し調べるから待ってくれ。ええと、ステータス確認の表示内容の項目はっと。あ、あった、これだな」


 ステータス確認

・内容全表示 ○



・内容部分表示 ×

・名前

・年齢

・種族

・所属

・滞在世界

・職業

・称号

・属性

・弱点

・魔力

・状態

・所有魔法

・保持スキル

・保持能力

・耐性

・加護

・契約者

・成長ポイント

・眷属

・守護対象

etc



かなり広範囲な分類がされていた。これだけの量を一括で表示されれば、目眩を引き起こすわけだ。僕は内容全表示を×に変えて、内容部分表示を○にして確認したい項目に○をつけていった。


そして、再びアルトに視線を向けた。


「うわあ!ありえないだろこれ!!」


僕はさっきとは別の理由で目眩がした。


「アスト様大丈夫ですか!?」


「大丈夫か兄貴!」


「アスト!」


三人が僕の方を心配そうにこちらを見てきた。


「大丈夫だから安心してくれ」


僕は三人を安心させる為に意識して、落ち着いた声で三人を宥めた。


そして、アルトのステータスをもう一度確認することにした。

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