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廻る世界と星界竜  作者: 中野 翼
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魔物について

僕たちは、無事に転移した。

「なんだよここ?」アルトは、いきなり変わった景色に驚き、また今いる場所に困惑している様だ。「兄貴!ここは何処なんだよ!?」

「会った時に、魔力をほとんど使ったって言っただろ」

「確かに言ってたけど、それとこの場所になんの関係があるんだよ?」

「だから、この世界を僕が僕の魔力を使って作ったんだよ」

「作った?ここを兄貴が?嘘だろ」アルトは、信じられないと首を振った。 まあ、無理もない。自分が言われてもそんな反応になるだろう。

「本当だって。そういえばアルトは、なんで斬岩カマキリと戦ってたんだ?」話題を別のことに変えることにした。

「あー、それがさ、素振りしてたらいきなり襲いかかってきたんだよ」

「いきなり襲いかかってきた?」

「ああ、そうだよ」

「あんなところには、普通はいないはずのやつがいきなりねぇ。普通だったら森の奥にいるはずなのに、なんであんな見通しのよい野原にいたんだ?」

「さあ?そんなに珍しいのか?」

「かなり珍しいぞ。というかアルト、よく1人でランクDの斬岩カマキリと戦えたな」僕は、感心しながら言った。

「ランクD?」

「まさかお前、あいつのランクを知らずに戦ってたのか!?」

「あいつのランクというか、ランク自体よくわからないんだけど?」ありえないことを言われた。

「ちょっとまてアルト、お前今までランクのこと知らなかったのか?」

「おう」思いっきり頷かれた。

「はぁ、じゃあもう魔物のことを1から話していくからそれで理解しろ」

「わかった」アルトは、頷いた。

「じゃあ最初に魔物の定義からいくぞ。魔物とは、この世界に満ちている魔力によって出現または、変質したものの総称だ」

「出現と変質?」

「そうだ、この世界に満ちている魔力は、一定の周期で収束を起こす。その時に、収束した場所に応じて魔物が誕生する。出現の場合は、何もない空間から魔力自体が形を成して魔物となる。変質の場合は、収束した場所にいた生物や物に魔力が宿って、魔物化したものだな」

「その2つの魔物に違いってあるのか?」

「あるぞ。まず出現の魔物は、姿形がランダムで決まるうえにスキルや魔法も統一性があまりないな」

「統一性がないってどんな感じに?」

「どんなって、例えば姿は鳥なのに魔法は、地属性でスキルが切断強化のやつとかかな」

「確かに統一性がないな」

「さて次は、変質の魔物だな。こっちは、姿形は元になったものに依存しているな。スキルや魔法も元になったものを強化する感じになるしな。ただし、変質については生物か物かによっても違いが出てくるからな」

「違い?」

「ああ、生物の方は、自分が生きていく為の魔法やスキルを保持しているのに対して、物の方は、自身の性質を現した魔法やスキルを保持している。それに加えて、使っていた持ち主の魔法やスキルの一部を保持していることが多いんだ」

「それってさ、強い奴の持ち物ほど強いってことか?」

「まあ、一概にそうとはいえないけれど、大体はその認識で合ってるかな。付け加えると、使っていた期間が長いほど強い魔物になるな」

「じゃあさ、俺が持っているこの剣も魔物になったりするのか?」アルトは、剣を掲げながら聞いてきた。

「なるかならないかなら、なる可能性はあるぞ。ただし、実際のところは、装備品が魔物化することはめったにないけどな」

「なんでないんだ?」アルトは、首を傾げながら聞いてきた。

「そりゃあ、常に持ち歩いているものに魔力が収束することなんて、めったにないからな。だから、物の方は置物や建物の方が魔物化しやすいんだ」

「置物や建物?」

「ああ、魔物の襲撃なんかで村とかが廃村になると、残された家具や仕事道具、それから日用品とそれらが置いてある建物が魔物化することがあるんだ」

「なんで廃村とか、限定なんだ?」

「そりゃあ、人がいる所で魔物化されない様に、普通は魔力が収束しないように結界とか張ってあるからな。だけど、やっぱり老朽化すると効果が無くなるんだ。だから、廃村とかで魔物化するんだよ」

「へえ~、そうなんだ」

「さてと、まあ魔物の定義はこれぐらいでいいかな」

「おう」

「じゃあ次は、ランクについてだ。魔物のランクは、強さや厄介さによってSSS~Fに分けられる。


Fは、一角ウサギや落穴モグラの様に、自身の能力の一部が強化されたやつがこれになる。


Eは、自身の能力の一部だけじゃなくて、全体が強化されたやつがこれにあたる。


Dは、斬岩カマキリの様にスキルか魔法のどちらか一方を1つから3つ使えるやつがこれにあたる。


Cは、スキルと魔法の両方を1つから3つ使えるやつがこれにあたる。


Bは、スキルか魔法のどちらか一方に1つでも特殊なものを保持しているやつがこれにあたる。


Aは、Bの条件に加えて、身体が強化されているやつがこれにあたる。


Sは、大抵が単一のユニーク個体で知能も言語を解するほどに高く、一体で街1つを滅ぼせるほどの力があるやつがこれにあたる。


SSは、現在この世界で動き回っている魔物の中では、最高位のやつらで、総じて国すら簡単に滅ぼせる。出現すると、天災を巻き起こすことから災禍という二つ名もある。


SSSは、昔に実在した、大陸さえも滅ぼせるほどの力があるやつらだ。けれど、今はこのランクに入っている魔物はいない。


これが大体のランク分けの目安だ。この条件は、単体のであって群れで行動するやつや、特定の地形・他の魔物といることでランクが上がる場合もあるから、これが絶対というわけじゃないからな。アルト、これでランクについてわかったか?」

「おう!ばっちりだぜ」アルトは、元気よく返事をした。

「それなら魔物については、これくらいでいいか。そういえばアルト、やっぱり斬岩カマキリを倒したいか?」

「そりゃあもちろん、倒したいぜ」

「なら、倒すか」

「そりゃあ、出来ればそうしたいけど兄貴の怪我もあるし、無理だろ?」

「この世界の時間をいじるから大丈夫だ」

「時間をいじる?」

「ああ、この世界の時間を外よりも速く流して傷を治す」

「そんなこと出来るのか?」

「言っただろ、この世界は僕が作ったって。作った世界の時間を設定出来るんだよ」

「ならいけるのか?」

「じゃあ、いじるぞ!」そうして、僕はこの世界の時間を加速させた。

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