表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マレビト来たりて  作者: 安積
65/197

第4章

文具店を出る頃には既に日は中天を過ぎていた。

買い物をしていて気が付かなかったが、どうやら昼時の終りを告げる七の鐘はもう鳴った様だった。

昼時の始まりである六の鐘から七の鐘までの間は町の人通りが幾分か減るのだが、今は既に活気が戻りつつあった。

静かに文具店を見て回れたのも、店の雰囲気というだけでなく街の喧騒が薄れていたお陰だったのかもしれない。




何事かに集中している間は忘れていても、思い出した途端に主張し出すのが食欲というもの。

まだ昼食をとっていなかったなと気付いた瞬間にお腹がすいたように感じるのだから不思議だ。

今日は一人で屋台街を巡ろうと思っていたのだが、彼等は食事はどうするのだろう?


「そろそろお昼にしようと思うんだけど、三人はどうする?」


「私たちのことは気にしないで下さい。」


優等生な発言はセム。


「俺、ガレット食いたい。」


自分の希望を即述べたのは言わずとしれたフェクト。


そして、何も言わず、近くに出ていた人形焼きっぽい屋台、というか出店?を指差したのがゼナゥだ。


これくらいの年のとき、私は食事は家か学校でするものだったからその裁量が子供に任されている、というのは不思議な感じだ。


「えーと、神宮大路の屋台街に行ってみようと思うんだけど、どう?」


賛成が得られたので、とりあえずゼナゥが欲しがった人形焼きだけ買うと、神宮大路ヘと向かった。

因みにそのお金はセムが払った。

自分より一回り以上も下の子供に奢ることさえ出来ないなんて……。

やっぱり、経済力って大事だと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ