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マレビト来たりて  作者: 安積
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8章

部屋に戻るとエメラ姉さんが食事の準備を整えて待っていた。


「大分お元気になられたようで何よりです。疲れも出てはいらっしゃらないようですね。」


私が部屋に戻ったことに気づいたエメラ姉さんが笑う。私が何をして来たのかも分かっているようだった。椅子を勧めながら庭の様子について聞いてくる。


「今はニレモアの花が盛りだとは思いますが、見れましたか?」


「何の花かは分かりませんが、甘い匂いが広がってました。他にもいろんな草の匂いがあって気持ち良かったです。」


「どちらまで歩かれたのですか?」


「庭の奥の四阿(あずまや)まで。花は見えなかったんですけど、匂いは広がってました。」


「では、やはりニレモアでしょうね。あの花の匂いはよく広がるので。食後に少し休んだら花も見に行ってみますか?」


「良いんですか?」


「そろそろ体も回復してきたようですし、体を動かすことも必要ですからね。四阿よりも近くにも咲いていますから、一緒に行ってみましょう。」


「楽しみです。」


エメラ姉さんと会話を楽しみながら食事をとる。ここのご飯は本当にいつも美味しい。食材はまだちょっと分からないものが多いけれど。倒れてすぐの時はよく刻まれていたそれらは今はもう大分普通に近くなっている。細かいところまでよくみてくれているのが分かる。至れり尽くせりとはこの事を言うのだろう。感謝しつつ、名前も調理前の姿も知らない、けれどどこか和食に似た味のそれらをよく噛み味わった。食事の間、マイアは付かず離れず、部屋の中を気ままに動き回っていた。


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