178/197
第8章
「――さて、落ち着いたところで、授業を始めようかと思ったんだけどね。
ルディアが丁度良い実例を示してたから、今日はちょっと趣向を変えてみようか。
まあ、どちらにせよ、期の初めだから普通に授業をするつもりはなかったのだしね。」
まずは適度に散らばろうか、とナゥブドゥカ先生は、教室の左右に詰めるように座っていた生徒達に私の周囲に移動するように指示をだした。
始めは恐々としていた生徒達も、蛇もどきが私の肩から動かないのを理解すると、おずおずと移動を始めた。
緊張が解れたようなざわめきがひと段落すると自身も教壇を降り、手近な椅子を引き寄せてそこに座った。
「さて。
何から説明したものかな。
とりあえず、先ほど起きたことの説明をしようか。
端的にいうならば、あれが“暴走”だ。
暴走がなんであるかは分るね?
我ら精霊術士が、最も避けねばならない事態の一つでもある。
その理由が分るかな?」