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第8章 (4)
心の痞えが取れたすっきりした気分で迎えた午後の授業。
これまた前期に引き続き受講を決めたナゥブドゥカ先生の「精霊交流術2」。
若干の余裕を持って教室へ行ってみたら……。
――もう、あからさま過ぎるまでに他の生徒から引かれてました。
まだ疎らな教室には、前期から見慣れた顔に交じり、少し見知らぬ顔も増えていたものの、教室に入った瞬間から揃って驚愕の目で見られたり、ぎょっとしていたり、唖然としていたり、そんな視線が集中。
あからさまな視線にどう対処したものかと悩みつつも、とりあえず何故かぽっかりと空いていた後方中央の席についてみた。
うん、視線て本当に痛いものだったんだね……。
出来ることなら一生知らないままでよかったのに。
刺さる視線。
けれど誰も何も言わないまま。
続々と入ってくる生徒達は、皆同じような態度をとって、ついに始業の鐘がなっても私の周囲の席は埋まることは無かった。
なるほど、これが“見える者”と“見えない者”の差か、と今更ながらにブラーシェ先生の言葉の意味を痛感した。