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マレビト来たりて  作者: 安積
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第7章

酒を飲んだわけでもないのに私までも、ある種の酩酊気分で旋律に音を乗せる。

ただの声ではなく、魔力を持った私の声は、微かなものでありながら、何処までも遠くへと響いていくようだった。

視界の中に、精霊の数が一気に溢れかえるのを、どこか夢でも見ているよう感じで眺めていた。

その中には、先ほどまで姿を消していた蛇もどきや、普段私の周りにいる精霊たちもいた。

期せずしてなった神の裔(アカシェ)マレビト()の二重奏は、何かを呼び出そうとしていた。


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