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マレビト来たりて  作者: 安積
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第7章

ハルディアさんの家で、今日手にした戦利品の数々を見返しながら話に興じ、神殿に帰ったのは夕飯を食べ損なうギリギリの時間だった。

慌てて食堂に駆け込んで、満足するまでご飯を食べて、お風呂に入ったり色々して、さてそろそろ寝るか、と思った頃に彼らはやってきた。

一人は、まあこの時間に来る事もないでもない人、でも後の二人はこの時間にはまず会うことの無かった人だ。

どうやら、二人に一人が連れてこられたらしい。


その二人とはイドゥンさんとフィズさんで、残る一人というのはナイルだった。


「夜分申し訳ありません。

 こういったことは早めの方が良いかと思いまして。」


「まだ寝ていなかったので構いませんが、どういった用件で?」


心底申し訳なさそうに言うイドゥンさんに、何かそんな切羽詰った用があっただろうかと首を傾げる。


「今朝方の件です。

 どうも十分な説明を受けておられないようでしたので、責任者を連れてきた次第です。」


「今朝方、の……?

 ああ!」


そういえば、あんなに気にしてたのにいつの間にやら忘れていたというこの情けなさ。

私の神経はやっぱり図太いか、もしかしたらどこかずれているのかもしれない。

それにしても、責任者を連れてくるって……いや、間違ってはいない、いないんだけども。


「貴女に光舞祭の概要を説明しなおすようにと言われたもので。」


ちょっと憮然とした様子のナイルだ。

最近忙しくしていると言うのは聞いていた。

今も仕事の途中だったのだろうと思う。

暫く見ないうちに、人並み外れたその容姿にも疲れの色がくっきりと浮かんでいた。

ちゃんと最初に説明してくれなかったのは彼のほうだが、それなのに、こうも疲れた顔を見せられると私のほうが悪いような気がしてきてしまうのだから理不尽な話だ。


2011/10/14 加筆

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