第7章
いい歳をした大人が、仲間外れにされたといじけるのは大人気ないことだと思う。
だが、今の私の状況を端的に客観的にいうのであれば、その通りだ。
仲が良くなったと思えた友人達に来るなと言われ、それ以来ギルドにすら近付かず、彼らのことは気になって情報を集めるくせに、近くにいると知ってからも会いには行かない。
そう、要するに、いじけているのだ。
まるで、この幼い外見のままの年齢の子供のように。
私のそんな気持ちなどお見通しだったのか、彼らの店へ行くことを渋る私に
「私は明日、市を見て回りたいのよ。
勿論、付き合ってくれるでしょう?」
と、強引に決めてしまったのだ。
今の私は、ハルディアさんに精霊術を学ぶ生徒である一方で、ギルド員としては彼女の家事手伝いをしている身だ。
師――正式に師弟関係を結んでいるわけではない一時の師ではあるが――であり、且つ雇い主である彼女の希望を無碍にするわけにはいかなかった。
あの場所への立ち入りを禁止されたのが長期休暇に入る前だったのだから、かれこれ2週間ばかり彼らとは顔を見合わせていないことになる。
あの部屋に立ち入ることが禁止されたからと言って、彼らに会いに行くことが駄目になったわけでもないのに、勝手に一人でいじけて会いに行かなかったものだから、どうにも明日を思うと気まずかった。
愚痴をこぼそうにも聞く者がいなくては零れる言葉が空しいだけ。
こんな夜に限ってアカシェの来訪もない。
思い悩んだところで仕方が無い、と、もう既に寝入っている蛇もどきを抱き枕に、そのままやがて訪れた睡魔に身を委ねた。