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マレビト来たりて  作者: 安積
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間章

「さあ、話を聞かせてくれ。色々と楽しんでるのだろう?」


「は?荷物運びだけの仕事じゃないんですか?」


事実、依頼書に書かれていたのは荷物の運搬、それだけだ。

暇つぶし、気分転換の相手に慣れて置いうことは記されてはいなかった。

まあ、話のほうがメインだとは分かっているので、これはある意味での意趣返しみたいなものだ。


「ついでに茶を飲んでいけ、と言う話だ。」


「全く、書かなかったのはわざとですね?」


ギルドの依頼書には、依頼内容の概要さえあれば、詳細を書かなくても良かったりする。

これが討伐系統の危険性が高いものとなるとそうもいかないが、街中での仕事では家事手伝いと言われて行ってみれば子守もだったり、またその逆もしかりと言う感じでかなり融通が利くといえば利く。


「まあな。

 書いたら何かしら理由をつけて断ったろう?お前は。」


取り繕いもせず、あっさりと認めてしまうその態度に思わず嘆息が漏れる。

流石は同類、私の性分をよく分かっていらっしゃる。


「はぁ。どおりで文官の方々に睨まれるわけですよ。」


途中の文官に睨まれたのは、恐らくそういう意味だろう。

つまり、アカシェをサボらせてんじゃねーよと言う非難の視線だったという訳か。

訳も分からず睨まれて気分が悪かったのは確かだが、分かってみれば何のことはない。

マレビトとして慇懃に接せられるより、ある意味ではマシと言えた。

勤勉な文官さんたちには悪いが、まあ、今日から3日間だけは諦めてもらうとしよう。

神族だって、疲れが溜まったら少しくらい休養が必要だろうから。

2011/07/30 加筆修正

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