聴力に長けた情報屋
本部に着いたふたりは鈴香を始末した事を報告した。
机のある椅子には会長が座っていて、俺と髙さんはその前で立っている。
そしてもう1人、雇われたボディガードらしき人がドアの前に立っていた。その男は会長に、一時退出を命じられる。
何か、大事な話でもあるのか?
「君たちに頼みたい任務がある」
会長が話を切り出す。早川と髙本は自然と背筋が伸びる。
「とある女性の抹殺をお願いしたい。名前は清水由香。敵国の情報屋で、彼女にこの国家の機密事項が漏れた可能性が出てきた。それも最重要事項がね」
「質問なのですが…彼女は殺し屋ではないんですよね?」
髙本が質問する。彼女が殺し屋でないのなら抹殺は簡単な事なのでは?と言う事か。
そこまでの発想に至らなかった早川は自分の不甲斐なさを痛感する。
「殺し屋ではないよ。でも彼女は耳がとても良くてね、武器の近くに行きたがらないんだ。だから接触はできても、武器を持って接触すること…すなわち殺すことはできない」
「それは困りましたね」
ハハと髙本は乾いた笑みを受かべる。
それとは逆に会長は自信満々にいう。
「そこで君たちの出番なんだ。彼女に接触し殺してもらうが、普通の方法でじゃない。一度拘束して、身動きを取れなくしてから始末するんだ」
「なるほど、武器の音は気付かれる可能性が高いが数も種類も豊富な拘束具なら警戒されづらいと」
「リストバンドなら音も鳴りませんしね」
早川も同意する。
一度失敗すると対策される恐れがあるからチャンスは一度きり。耳も良いとなればそう簡単にこの計画を口に出せない。
難しい任務になるぞ




