普通の任務
「髙さん、今日の任務は何ですか?」
早川は、髙さんこと髙本先輩の車に乗り込みながら聞く。
髙本は早川がシートベルトを着用したのを見て、車を発進させる。
「髙さんじゃなくて髙本や。良い加減覚えろ」
「髙なんとかって名前多いじゃないですか、高橋とか高松とか」
「多いなぁー」
運転をしながら髙本はあいづちを打つ。
「だから覚えにくいんすよ」
「いや、覚えろや」
こっちは先輩やぞ、と呟く髙本を見ながら早川はハハハと笑う。
「着いたで、任務先」
「今日の任務は?」
「コイツの抹殺」
髙本は資料を見せる。
資料には、髪がピンクでポニーテールの女子高生の写真。
名前の欄には井上鈴香と書かれている。
「ただの女子高生じゃ…ほんとにコイツを殺すんですか?」
「こう見えて情報収集に長けた殺し屋らしい。まぁお前なら瞬殺だろうが」
「あ…これ俺1人でやるやつっすか?」
「おう、上司の手を煩わせんな」
「えぇー」
髙さんはたまにこうやって俺に仕事を押し付ける。
確実にこれはバディでやる任務だろうに。
「じゃあ行ってきます」
「頼んだぜー」
俺は髙さんに言われた建物に入り、井上鈴香を発見する。
鈴香の背後から接近しそのままナイフを突き刺す。
「な…なんで」
「髙さん終わりました」
片手はスマホ、もう片方の手にはナイフを持ち、鈴香にトドメを刺しながら髙本に電話をする。
「早かったな」
「正直言って雑魚でした。」
早川にとっては瞬殺してしまうほどの雑魚だが、本来2人以上であたる任務内容である。
それを雑魚呼ばわりしてしまうくらいに早川は優秀な殺し屋だった。
***
早川は車に戻ると髙本も、報告しに行くか、と車を再発進させる。
本部に着いた早川はとんでもないこと任務を任されることになるが、そのことをまだ2人は知らない。




