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詩の部屋  作者: タニグチ・イジー
2/15

詩の部屋 2 


  ○ 4


詩の部屋の壁を覆っているのは

たくさんのスープ皿

底に描かれたいくつもの絵を見ながら

この皿にはどんなスープを入れようかと想像する

机の上に書かれた落書きは

昔、小学校の机に書かれていたもの

あの時落としたクレヨンもいっしょに置かれて


  ○ 5


詩の部屋にあるはずの

詩を探して回る

机の裏を見てみて

ソファのすき間をさぐる

壁を飾るスープ皿はどれも絵と柄だけ

言葉と言えるものは何もなく

疲れて一言も浮かんでこない


  ○ 6


詩の部屋にある

ノートを開いてみる

「あの時彼女は何かを言おうとして

私の言葉がそれを邪魔した」

その先は(かす)れてもう読めない

私のことであるようで誰のことでもないようで

微かな鳩時計の声が時を告げている


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