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第3章 俺んちが1年生美少女ツートップの溜まり場になった。(2)

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第49話「ほんとかなぁ? あ、早速、怪しげな段ボールをハッケーン♪」

「ほんとかなぁ? あ、早速、怪しげな段ボールをハッケーン♪」


 陽菜がベッドの下から段ボールを引っ張り出した。


「ああ、その段ボールは――」


 俺が説明する前に「ふんふーん♪」と陽菜が喜々として段ボールを開く。

 すると中にはTシャツやら半袖のシャツやらが、綺麗に畳まれて入っていた。


「……なにこれ?」


「なにって、夏服はまだ着ないから、引っ越し用の段ボールから出さずにベッドの下に入れて仕舞ってたんだけど」


「たーくみーん?」

「な、なんだよ?」


 陽菜がなぜかジト目を向けてきた。


「その展開は超つまんなーい! 陽菜ちゃんポイントマイナス20点!」

「そんなこと言われてもさぁ」


 俺にどうしろと?


「いやでも待って?」

「え?」


「夏服が入ってるだけと思わせて、この中に隠してある可能性がワンチャンあるかもだよね」


 陽菜が段ボールの中を漁り出す。 


「陽菜ちゃん、人の物を勝手に漁っちゃだめだよぉ」

 

「あのね、美月。これはアタシがやりたいからじゃなくて、たくみんの無実を晴らすためにやってるんだから……ね?」


「ねって、最後に疑問形で言われてもな……」


 なんて会話をしている間にも陽菜の段ボール漁りは続いており、すぐに中からとあるものが出てきた。

 もちろんえっちなアレやコレではない。


「うんしょっと……。えっと? たくみん、なにこれ?」


 陽菜が取り出したのは格闘ゲームをするためのアケコンだった。

 棒レバーと8つのボタンが付いた、少し古いタイプだ。


「そういや予備のアケコンを、服をクッション代わりにして一緒に入れてたんだっけ」

「あけこん?」


 アケコンを知らなかったのだろう、陽菜が小首をかしげる。


「アーケードコントローラーの略……だったかな? 格闘ゲームをするための専用コントローラーだよ」


「アーケードって商店街の屋根のことでしょ? ゲームとどんな関係があるの?」

「え? いや、俺も細かい名前の由来は知らないけど……」


 たしかに言われてみればアーケードコントローラーのアーケードって、どういう意味だ?

 アケコンにアーケード的な物はついてないよな?

 考えたこともなかったけど、確かに謎だ。


「拓海くんって、ゲームするんだ? 結構いろいろやるの?」

「沢山はしないけど、好きなのをちょっとやり込む感じかな」


「男子はゲーム好きだよねー。クラスでも時々、男子がゲームの話してるもんねー」

「男子高校生ならゲームはまぁ普通に好きだろ?」


 知らんけど。


「それで、なんでアケコンが服の中に隠してあったの?」


「隠してたんじゃなくて。これは昔使ってたヤツで今は使ってないんだけど、壊れた時用に一応予備で持ってきてたんだ。アケコンって、いいのは結構高いからさ」


 1フレーム(=1/60秒)単位で勝負する格闘ゲームのコントローラーは、入力精度が命。

 そして入力精度がいいアケコンは、それなりに高い。


 つまり買い替えるのが結構大変なのだ。

 高校生のお小遣い的においそれとは捨てられない。


「なるほどねー。あ、そうだ! アタシ、ゲームあんまりやらないから、せっかくだし、やってるとこ見たいなー」


「いいけど、格ゲー知らないと、見てもあんまりおもしろくないと思うぞ?」


 マリカーとか割と女子も知ってそうなのがあればよかったんだけど、パーティゲーム系のは持ってないんだよな。

 一緒にやる相手もいないし。


「面白くなかったら、すぐ言うしー」

「陽菜はそうだよな」


 陽菜の素直な一言に、俺は小さく苦笑した。


 割となんでもストレートに言ってくるのが、陽菜のいいところだ。


「拓海くんがゲームするところ、私も見てみたいかも」


 しかも木陰さんにまで言われてしまったら、俺としては断る理由はない。


「じゃあ適当にネット対戦するから、飽きたら言ってくれな」


 俺はパソコンの電源を入れると、デスクトップのアイコンをクリックして、最近流行りの格闘ゲーム「ストライクファイターVI」を起動した。



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