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第3章 俺んちが1年生美少女ツートップの溜まり場になった。(2)

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第46話 キラキラ女子のたくみんお部屋チェック

「あんまり何もないね」


 ドアを開けて中を覗き込んだ陽菜が開口一番、言った。


 部屋にあるのはベッド、勉強机、本棚、パソコンくらいなので、陽菜でなくともそう思うだろう。


「だから言っただろ? 元々、物はあんまり持ってないし、今は引っ越してきたばっかりだから余計にかな」

「なーる」


 返事をしながら陽菜がヒョイっと俺の部屋へと足を踏み入れた。

 特に何もない部屋だが、やはり男子の部屋ってだけで興味が湧くのか、視線をあちらこちらに向けている。


「電車で実家まですぐ行けるしさ。必要な物はその都度、取りに行けばいいから、大掛かりな引っ越しにはならなかったんだ」


「そうだよね。拓海くんの実家って近いんだもんね。だったらとりあえずの物しかもって来なくても平気だよね」


 陽菜に続いておずおずと俺の部屋へと入った木陰さんが、うんうんと大きくうなずく。

 そういった何気ない所作がイチイチ可愛らしくて困る(困らない)。


「辞書とか服とか、学校とか日常生活で使いそうなものだけ、重点的に持ってきてる感じだな。あとマイ枕。枕が変わると寝れなくてさ」


「それわかる~! 枕が変わると寝れないよね~!」

「私も~。枕が変わると首がしっくりこなくて、寝れても疲れがとれないの」


「やっぱ枕って大事だよな」

「だよねー」

「だね」


 俺たちは改めて共通認識を得た。

 だからなにがどうってわけではないんだけども、こういう超プライベートな話ができるのも、自分の部屋という超プライベートな空間だからこそ、だよな。


「でも残念。たくみんの卒業文集とか卒アルとかチェックとかしたかったのになー」


「卒業アルバムなんて使わない上にかさばるもんは余裕で実家だな。どうしても見たかったら実家まで来てくれ」


「じゃあ美月、今度たくみんの実家まで遊びに行こうよ」

「ふえぇっ!? 拓海くんの実家に!?」


 なぜかどうでもいいところで、木陰さんが妙に大きな声で反応した。

 俺の実家に来ることに、何か思うところでもあるんだろうか?


「美月もいつかは行かないとだもんねー。ちゃんとたくみんのご両親に挨拶しないとだし」


「ああそっか。うちに来たら親とも会うんだよな。今まで女の子を家に連れてきたことなかったから、2人が来たらびっくりするだろうな」


 母さんには「お年頃ね、ふふふ」とか思われそうだ。

 今までそういう会話をしたことがなかったから、想像するだけでなんかちょっとハズい。

 もちろんとびっきりのキラキラ女子が2人だから、彼女だとかは思われないだろうけど。


「あ、挨拶って。別にそういう関係じゃないから!」


 そしてさっきから妙なところに妙にこだわる木陰さん。

 友だちの家で親に挨拶するのって、なにか変かな?


 俺だって木陰さんや陽菜の家に遊びに行ってご両親と会ったら、失礼のないように挨拶くらいすると思うんだけど。

 うーむ、木陰さんの気になるポイントがどうしてもわからない。


「えー、そういう関係って、なにー? わかんないから詳し~く教えて欲しいなー」


「うぅ~! またそういうこと言うし! もぅ陽菜ちゃん、知らないもんっ」

 プイっとわざとらしくほっぺを膨らませて横を向いた木陰さんに、


「あー、うそうそ! もう言わないから許して~。このとーりー」


 陽菜が抱き着いてギューッとハグをした。

 しかもそれだけではなく、そのまま俺のベッドに押し倒すようにして、2人で倒れ込んでしまう。


 ギシリと、音がして、俺のベッドの上で倒れ込んだキラキラ女子2人がくんずほぐれつしていた。

 足が絡まって、制服スカートが際どく捲れ、大変なことになっている。



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