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【書籍化】黒猫を拾ったら俺んちが二大美少女の溜まり場になった。【Web版】~2人の少女が恋したのは、昔の俺と今の俺――。  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ★3巻発売決定!☆GCN文庫
第2章 俺んちが1年生美少女ツートップの溜まり場になった。(1)

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第39話「あはは、たくみんは初心だね~♪ ウケる~♪」

「さすが男の子♪ やるじゃん、たくみん。陽菜ちゃんポイント1点あげちゃう♪」

「サンキュー」


 例の特に何も起こらないポイントな。

 まぁキラキラ陽菜に褒めてもらえるのは、ポイントとか関係なくそれだけでも嬉しくはある。

 男の子はちょろいから。

 そして俺も男の子である。


「拓海くん、すごいね!」

「俺は説明書通りに作っただけだよ」


「そんなことないよ。多分、私一人じゃ作れないもん。きつく締めるところとかもあったよね? だから拓海くんはすっごくすごいと思うな」


 目をキラキラさせながら、胸の前で両手をギュッと握って、妙に力説する感じで俺を褒めてくれる木陰さん。


「そ、そうか? ありがとう。でもほんと、たいしたことはしてないぞ?」


 照れた。

 ちょう照れた。

 キラキラ木陰さんに褒め褒めされて、俺はめちゃくちゃ照れていた。


「たくみーん。そんなこと言って、俺にかかればこれくらい余裕さ、とか内心ドヤってるんでしょ? 惚れ直しな美月、とか思ってるんでしょ?」


 惚れ直しって、まるで木陰さんがもう俺に惚れてるみたいな言い方だな?

 ま、からかってくる陽菜にツッコんでも、もっとからかわれそうなのでそこはスルーする。


「そんなこと思ってないから」

「ほんと~? その割にはまんざらでもなさそうな顔してるけど」


「女の子に褒められたら、男子はこうなるんだよ。ほっとけ」

「あはは、たくみんは初心(うぶ)だね~♪ ウケる~♪」


「俺のことはいいだろ。それよりほら、せっかく完成したんだからクロトを呼んであげないと」


「あはっ、そうだよねー。クロト、おいでー。こっちこっち」

「クロト、おいで~」


 トテトテトテ。

 俺たちがキャットタワーを組み上げるのを、猫ハウスから我関せずでボーっと眺めていたクロトが、陽菜と木陰さんに呼ばれてやってくる。


 しかし新たに出現したキャットタワーを警戒しているのか、ふんふんと柱回りの匂いを嗅ぎながら周りをうろうろするだけで、キャットタワーに登ろうとはしない。


「クロト、これは登って遊ぶんだ」


 俺はクロトを抱っこすると、キャットタワーの一番下の足場(っていうのか)に乗っけてあげた。


 みゃあ……?


 クロトは最初こそおっかなびっくりだったものの、すぐに安全なものだと理解したのだろう、すぐにキャットタワーを上り下りし始めた。


「気に入ってくれたみたいだね」

「可愛い~♪」


 陽菜がスマホで撮影を始め、木陰さんはほわんとした顔になる。


 登って、降りて、登って、降りて。


「やーん、可愛い~! クーロト、こっち向いて~」

「わ、私も動画撮ろっと……」


 たったそれだけのことで、クロトはキラキラ女子たちを(とりこ)にしてしまった。


 それはさながらランウェイを歩くトップモデルのごとし。

 言うなればキラキラにゃんこ。


 す、すごい。

 俺は今、ものすごい格差を見せつけられているぞ……。


 キラキラ女子たちを魅了したキラキラクロトは、昇降をしばらく繰り返した後、上から2番目の足場に身体を投げ出すように寝転がった。

 そのまま目を閉じて動かなくなる。


「あれ? なんか寝そべったまま動かなくなったね? おーい、クロトー。おーい」

「ぜんぜん反応しないね? 寝ちゃったのかな?」


「寝るのはいいけど、落ちないよな?」


「大丈夫じゃない? 猫だし」

「猫だもんね」

「猫だもんな」


 猫とはそういう生き物である。


 とまぁそんな感じでキャットタワーでクロトが寝た頃にはすっかりいい時間になっていて、


「じゃあまたね、たくみん。ちゃおー」

「お邪魔しました。またね、拓海くん」


 キラキラ女子たちは仲睦まじく俺んちから帰っていったのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しい時間は、あっという間に過ぎて行くけど、次を待つのも、また楽しい時間に…(^ω^)
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