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『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


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「今日は山下さんの近くにいた女性(ひと)と一緒に?」


 私たちが話を始めるとその人は私たちから距離を置き今は離れた場所で

私たちの会話が終わるのを待っているようだった。


 気遣いのできる大人の女性って感じ。



 既視感っていうか、彼女を見るのは初めてじゃないような……。



「まぁね」


「仕事絡みの人なんですか?」


「うン?……まぁそんなとこかな」


 曖昧な返事しかしない山下さんにゼツボー。


 今まで私がそれとなく粉を掛けても全く乗ってこなかった相手の

ことだから、 そんな彼のことだから、一緒にいる女性のことは

仕事絡みなのだと思いたいっていうか……思うことにしよう。


 うん、そうしよう。


「じゃあ、失礼します」



「あぁ、気を付けて帰れよ」


「ラジャァ~」


 私は山下さんに敬礼して友人の待つ場所に向かった。


          ◇ ◇ ◇ ◇



「亜弥っぺ、さてと、さっきのいい男誰?」


 一緒に今回北野へ来た友だちが山下さんのことを訊いてきた。



「会社の上司」


「既婚者だよね、年齢的に見て」


「たぶん独身じゃないかと思ってるんだけど」


「曖昧だね」



「あの容貌と落ち着きからして奥さんいるでしょって思ってたんだけど、

誰かと話してる時に独身だって聞いたような気もして……

はっきりとは知らないんだ。


 ちらっと同棲してる相手がいるっていうのも聞いたことがあって、

どっちにしてもたまたま聞いた話ばっかで本人から聞いたことないし……

山下さんってミステリアスな男性(ひと)なのよ」



「まずはその辺をちゃんと調べておかないとアプローチできないよね」


「うん……」




「好きなら、奥さんでも同棲相手でも取っちゃえばいいんだよ。


 大体、好きな人に出会うこと自体すごいことなんだもん。

 あたしなら、好きな人見つけたら全力でいくかな」




 いとも簡単にすごいことを言ってのける私の友人天地理子(てんちりこ)



 彼女は母親が中国人父親が日本人で医学生の弟がひとりいて、何でも

言うことを聞いてくれる幼馴染の信ちゃんがいて、その上もうひとり、

学生時代にできた便利に使える男友だちがいる。



 天真爛漫なのは知っていたがよもやここまで自分の欲望に

忠実な人間だったとは。



 私はこの時恋人ができても理子にだけは紹介するまいと決めた。


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