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『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


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70 ◇嘘つきの末路

70


 百合子は突然の夫からの托卵に伴う慰謝料請求にうろたえるのだった。


 弁護士まで入れてのDNA鑑定請求。

 これが早瀬に知れたらいろいろと拙いからだ。


 伸之からの請求額は500万円と追加に弁護士費用とされていた。

 早瀬に少し助けてもらえば、持ち出していたお金の残金で

なんとかなりそうだった。


 だが秘密裡になんとかなればと考えていた百合子の目論見は

上手くいかなかった。


 百合子から絞り取れなかった時のための保険で 弁護士と石田が

早瀬にもコンタクトを取ってきたからだった。

  


◇嘘つきの末路



『ちょっと知り合いに会って来る』と言って出掛けていた早瀬が帰ってきた。


「お帰りなさい」


「ただいま。百合子、翔麻(しょうま)は?」


「お義母さんの家にいるわ」


 早瀬は就職してからは父親が以前購入していた家に独立して住んでいた。


 両親の家は裏手の敷地百坪ほどの土地に五十坪ほどの家を建てており

彼らは若い頃から夫婦共働きで裕福な暮らしをしてきた。


 後一年余りで一般的な年金受給者になる予定だ。


 二人共地方公務員なので二人分の年金だと住む家があるので

この先も余裕の暮らしが保証されている。


 誠は一人息子だった為、両親の財産で揉めるきょうだいもなく両親が

この先ハチャメチャな暮らしをしない限りこれまた、この先の暮らし向きは

困らないような環境にいる。


 これで今就いている仕事が不安定であるならば、暗雲立ち込める

ところであるが……。


 これまで早瀬は大手旅行代理店にて法務担当として勤務するも、コ〇ナ禍の

影響で旅行業界が打撃を受ける中、業績の悪化する企業に反して業績upを

続ける運輸業へと昨年舵を切り転職していた。


 現在、契約書関連、知的関連の業務を担当している。


 疫病もしかり、日本はこの先も増々高齢化が進むのは明らかで

この先の物流に伴う運送の需要も増えることはあっても減少するなどと

いうことは当分ないと思われ、この先の仕事の安定もほぼ確実といって

よかった。



「じゃあ、ちょうどよかったわ。

 翔麻のことで話があるんだ」


「えっ、なになに……」


 知人に会ってきた早瀬が帰って来るなりいきなり息子のことで

話があるという。


 百合子の胸に言いようのない不安と戸惑いが広がった。



「俺、今日石田伸之さんっていう人に会ってきた」


「えーっ、そ、そうなんだ……」


「百合子がいっぱい俺に嘘ついてたことが分かった。

 だからちゃんと俺たちのこれからのことや翔麻のこと、話し合わないとな」



 早瀬が石田と会ったと言うのなら、もうどうしようもなかった。

 

 後は早瀬がどのようなことを言い出してくるのか待つしかない

百合子だった。



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