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『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


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 そして映画の中の主人公は去り行く夫に向けて言っていたではないか。



『夫は微塵も疑いを持ってないようだけど、不倫相手が妊娠したというのは

本当なのだろうか。

 ほんとに夫の子なのだろうか。

 自分との避妊ではただの一度もこれまで失敗していないというのに……』

というくだりが伸之の心を揺さぶるのだった。




 もしも百合子との間にできた息子が自分の子ではなかったとしたら。

 既婚者と付き合える女なんだぞ、百合子は。




 そして結婚する為には引いたり押したりと手練手管(駆け引き)

上手く駆使できる人間だ。



 どうして自分はいとも簡単に信じたりしたのだろう。

 自分という人間がこんなに迂闊なヤツで馬鹿だったとは……

認めたくはないが認めるしかなかった。



 そしてこの日伸之は百合子との間にできた息子のDNA鑑定を

決心するのだった。


 幸いといってはなんだが認知もまだしていない状態で百合子が遁走しているので、

現在金に困っていなければそのまま放置でよかった。



 しかし、自分自身年老いた両親を抱え困窮している。

 そして百合子は遁走する時に百万単位で金を持ち出していた。




 事実婚とはいえ、5年近く親子の生活をみてきたのだから托卵されている

ことが立証されれば多少の慰謝料は引き出せるに違いないと踏んだ伸之は、

DNA鑑定を決意すると、まず百合子の所在の確認を急いだ。



 嘗ての顧問弁護士を通じて興信所を使い調べてみると現在の百合子は

実家にはおらず、ある男と暮らしていた。


 興信所のスタッフから

『彼が子の父親の可能性が高いかもしれませんね』と助言され、

更に托卵の可能性が伸之の気持ちの中で高まった。



 まずはDNA鑑定から、弁護士に委ね調べた。


 ゆくゆくは跡取りになるかもしれないと大事に育てていた子は

残念ながら自分の子ではなかった。



 今更過ぎて言葉も出なかった。





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