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『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


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 百子は試写会を観終えた後、コミックを描いてくれた作家に対して

山下に対する羞恥心から恨みがましい気持ちになったものの、やっぱり

プロの先生はすごいのねぇ~と感心するばかりだった。



 ところどころ自分が書いた筋を変えて書いているのだが、それは絶妙で

作品のレベルがupされているのは間違いないと思えたからだ。





なんか、よかった。

一観客として心から楽しめた。

感傷に浸っていると横に座っている人から声が掛かる。




「終わりましたね。よい仕上がりになっていて見応えありました」



「はい。こんな素敵な作品になっていて感激です。

もう自分の原作だとかそんなこと忘れて夢中で観ちゃいました」




 私たちは一言二言そんな風に言葉を交わした後、感動に包まれたまま

他のゲストたちと一緒に館内を出た。


 山下さんは劇場から駅までの道のりの間、何も話し掛けてこなかった。

 

 私も映画の余韻に浸っていたくて、頭の中を先ほどの女優さんたちや

俳優さんたちで埋めたまま黙々と歩いた。


  

 それなのに駅に着いた途端、現実に戻ると寂しさがじわっと湧いてきた。

 

 そう、頭の中が現実モードに切り替わり、そういえばもうこの先山下さんと

会うこともないのだと思うと残念な気持ちになってしまった。





「石田さん、じゃあここで失礼します。

 今年も残すところ2か月を切りました。

 良い年を迎えられるよう、元気でいてくださいね……じゃぁ」




「はい。山下さんもお元気で。

 また我が家の近くを通るようなことがあれば気軽にお立ち寄りください。

 美味しいコーヒー、淹れますから」




「石田さんの近所に外回り先があるといいのですが……。

 ありがとうございます。

 その折にはぜひお邪魔させていただきます」




「「さよなら……」」





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