表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/117

26

ご訪問いただきありがとうございます。

25話を修正した時に差し替えする部分を間違えてしまいました。

24話と被ってしまいました。(;'∀')すみません。25話訂正済み。2024.7.15




26   





 だいぶ酔いも回って浮かれ気分になった頃、彼がクイっと親指で入り口を指し

『部屋取る?』って聞いてきた。



 私は高級時計をした彼の手元に視線を這わせた。



 見ると、綺麗な手の形状と腕時計をしていてほどよく綺麗な肉付きの腕が

無性に色っぽく感じられ、大人の男になった彼は私をどんな風に扱ってくれる

のだろうか、と彼の誘いに興味をそそられた。



 私は気持ちを抑え気味に装い、少し頷いた。



 バーの入っているホテルの一室にIN.

 部屋に入るや否やキスが落とされ言葉もなく行為が始まる。


 動作の途中で彼に『スキンどうする?』と聞かれた瞬間、私の気持ちの中に

ずるい思いが立ち込めた。



 石田さんの子供を妊娠できるかどうかは神のみぞ知る……だ。


 早瀬くんとの間にできた子でもいい。


 石田さんには黙っていれば分かるまい。

 ばれることは恐れてない。



 もともと石田さんは人のもの。

 手に入るか入らないか、妊娠がひとつの切っ掛けになるかもしれない……し、

ならないかもしれない。


 やってみなければ何事も分からないのが人生だ。




「早瀬くん、今独身? 奥さんいるなら付けといてもらおうかな」



「いないさ」



そう言うや否や……彼は行為を進めていった。





 終わりを迎えた後、各々手早く身の処理をし再びベッドに沈んだ。


 お互い緩く抱き合う形でしばらくの間余韻を味わう。


 5分10分15分……。


 それは味わい足りなくても味わい過ぎてもいけない時間。



 

 阿吽の呼吸で私たちは一つから二つになり、帰りの身支度に取り掛かる。




          ◇ ◇ ◇ ◇





 早瀬くんがドアを開けてくれてホテルの部屋を出る時


「もし秋野さんが妊娠したら俺、責任は取るから」そう呟いた。




「ありがと。いい人なんだね」




『責任取るから』と言って帰って行った人。



 結婚するとは一言も言ってはいないけど、心からいい人だなって思った。



 次彼と会う日は来るだろうか、私はプラットホームの椅子に座り

電車を待ちながら、ぼんやりと誰にともなく問うた。




  早瀬との時間が百合子の心の奥底に横たわっていた悲しみを徐々に

溶かしていくことを感じながら。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ