表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『愛のため、さよならと言おう』  作者: 設楽理沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/117

20 ◇百合子の想い

20



 この日から百子は以前から心にしたためていたことを早々と

実行することにした。


 それは小説を書き始めるというものだった。


 プロットはまだ何も考えられないので手始めに

自分のことを書くことに決めた。


 本当はノンフィクションになるがフィクションに変換する。


 ノンフィクションなんて、関係者にだけ分かることで世間はそれが

ノンフィクションでもフィクションでも同じようなものだと思うから。


 修行のような気持ちで始めた。

 いきなりパソコンに打ち込むなんてできない。


 鉛筆でチマチマとノートに書いていくことにする。

 


 自分の身に起きたことを書くだけなので日記の感覚で

スラスラと書いていく。

 とにかく、書く。


 書く練習を積む日々。


 意識を書くことに向けるだけでも丸儲け。

 そんな気持ちで百子は毎日机に向かった。


 そしてその後百子が興信所を利用することはなかった。



          ◇ ◇ ◇ ◇




◇百合子の想い


 石田と恋人関係になってもう2年……が過ぎ、もう少しすれば

丸3年になる。



 彼は最初の頃と変わらずやさしいし、まめである。


 自分と会っている時は家庭の話は一切せず、家庭の匂いを

出したことがない。



 既婚者の恋人としては満点レベル。



 時々、結婚しているのは何かの間違いで独身なんじゃないかと思うほど。


 見た目だってとても40代には見えないほど若々しい。


 自分に溺れている石田はいずれ妻と別れ、自分と結婚するだろうと

百合子は考えていた。



 だが……彼が既婚者だと思い知るのはいつまで経っても

『結婚』の二文字が二人の間で出てこないこと。



 奥さんより私のほうが好いのなら

『子供たちがもう少し大きくなったら結婚しよう。

 待っててくれるね?』

くらいは言うもんじゃないだろうか。




 だが彼は私と別れるとも言わないが結婚したいとも言わない。



 やさしいけど酷い男。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ