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20話

よろしくお願いします。

 山田先生とのバスデート中、私は転生してハイド先生に拾われた時の事を思い出した。


「お前には魔法の才能がある。私がお前を育ててやる、光栄に思え。」


 ハイド先生は家と両親をモンスターに焼かれたばかりの幼いリリア事私に言った。


 それからハイド先生は無理矢理私を自分の住処の森の奥へ連れて行くと魔法の特訓をして15歳の春、私はドラゴン程度なら簡単に倒せる程度に成長した。それからしばらくして勇者一行がやって来て私を仲間にするのだが、ここでとてつもない一悶着があった。


「リリアは私の妻にすべく育てたのだ。お前らなんて渡すものか。」


気持ち悪、私は思わず勇者一行に啖呵を切るに育ての親兼師匠に言ってしまった。話を聞くとハイド先生は幼い私に一目惚れしており、ここに連れて来たとだという。理不尽で腹立つ事もあるが、育ててくれた恩もあるしと考えていた私の考えは全て吹き飛んだ。私は勇者の元へ行こうとするとハイド先生は魔法で反撃して手も足も出ない。しかし、勇者も勇者である。生来の男嫌いが幸いしていつも以上に力が入っているようで私の為に応戦してくれている。しかし、ハイド先生は大魔法使いと言われるだけあって苦戦を強いられて勇者一行は壊滅同然にまで追い込まれてしまう。


「いい加減諦めろ。お前ら三下に勝ち目はない。」


ハイド先生は弱い物いじめをするように一行様をいたぶり、こいつこそ魔王じゃないかと思わせる。


「先生、やめて下さい。」


「心配しなくてもこいつらを殺しはしない。ここでの記憶を消して外に捨てておく。」


ダメだ、このおっさん人の話なんて聞かない。私は頭をフル回転させてある事を思いつく。


「先生は私と結婚したいんですか。」


「そうだと言っている。」


「なら、桃源郷の花を私の花嫁衣装の飾りで欲しいです。先生前に言ってましたよね、桃源郷に行けるのは強い力を持つ魔法使いだけだって。」


私は勇者に攻撃する手を止めさせて言った。


「生涯に一度の晴れ舞台なんです。今から桃源郷へ行って取りに行ってもらえませんか。」


「今からか?」


「私、綺麗なうちに一番綺麗な形で先生と添い遂げたいんです。ちゃんといい子で待ってますから。」


ハイド先生は幾分私に弱い所もあるのを知っていたので、苦し紛れに言うと私にキスをして抱きしめる。


「こいつらはどうするのだ。」


「話をして帰ってもらいます。そしたら、2人きりの世界に戻りますよ。」


私の言葉に得意げに笑うとハイド先生は「すぐ帰る」と言い残していなくなってしまった。残った私達は急いで荷物をまとめて旅に出てしまったのだ。


 隣にいる山田先生はその事について随分と根に持っているようで私に嫌味のように私が旅立った後の事を話し始める。


「所望した花を持って帰れば連中と楽しい旅行に行ってるし、ようやく見つければ死んでるわ私をここまで翻弄するのはお前ぐらいだぞ。」


山田先生は私の腰に手を回して逃げられないように言った。


「私にどうしろと言うんですか。」


「言っただろう。理恵子は私の妻となって死んでも一緒にいるんだ。ほら手を出せ。」


山田先生はいつぞや私に渡そうとした指輪を出して薬指にはめた。


「今度はぴったりだな。嬉しいよ。こうしてお前を家族になれるなんて。」


「やめて下さい。」


「お前にそんな拒否権はないぞ。家にも居場所がないだろう。私の家に明日そのまま行くぞ。古い家だが、悪くないつくりだ。」


バスはこのまま私を山田先生に寄り添われながら繁華街へと連れていく。その間、山田先生は浮ついた言葉を私に囁く。


「恋が盲目と言うのなら、暗い夜こそふさわしい。シェイクスピアは本当に的確な事言う。私は今の今までお前に恋焦がれて周りが全く見えないのだ。」


そうじゃなくても見えていないだろと私は心の中で言いながら、山田先生から離れようともがく。


「お前は子供が欲しいか?」


「は?」


「私と理恵子の子供だ。私は子供があまり好きではないし、生活を乱されるのは好ましくない。だが、お前の意見も聞いておかないと計画が立たんだろう。」


一体このおっさんは何を言っているのだろうか。私はもう考えたくないと思いながら聞き流しているとバスが名古屋駅に着いてしまう。


「行くぞ、私の理恵子。」


山田先生は私を連れてバスを出ると外資系の高級ホテルへと入って行った。


「部屋にシャンパンもあるから深く語り合おう。」


既に酔っ払っているのではと思ってしまうくらい山田先生が浮かれている。私はこの場からどうやって逃げ出すか考えていると災難が再び私の前にやって来た。


「見つけた。」


今最も会いたくなかった節さんが大股で私に近づいて来た。


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