ボロボロの女騎士、アルマと出会う
「…その【闇穿つ牙】とかいうパーティは我が知る中では10番目くらいには下劣な奴らだな」
「うーん…あのパーティのグシアって言う女性の魔法使いには良くしてもらったが…今考えたら心中で俺を嘲笑ってた可能性があるよなぁ…」
「…コロス?ソイツラ」
「待て待て、もうあのパーティに未練はないから」
「うむ、そのようなものは忘れるのが吉だ」
「そうだな…ん?」
そんな会話をしながら森の中を歩いていると、木にもたれかかっている大剣を背負った女騎士を見たアルマはすぐに駆け寄る。
「…致命傷だな…だけどまだ生きてる」
アルマは女騎士の状態を確認すると収納空間からエリクサーを出し、女騎士に飲ませる。すると、脇腹や無くなっていた手足の傷が無くなり、呼吸も落ち着いた。
「…アルマ、誰か来るぞ」
「…逃げるか」
「タタカワナイノ?」
「いいか、ああ言うのは大抵面倒なことだ。逃走の方がいい」
アルマはそう言いながら高速で、そして出来るだけ足跡を残さないように木々の枝を蹴りながら去っていった。
ー
「…ん…」
その夜、あの場からかなり離れた場所で女騎士が目を覚ました。
「…オキタ?」
「ま、魔物!?」
女騎士は目覚めて最初に目にしたのは、自分を見つめるスカーレットだった。それに驚愕した女騎士は起き上がると、
「スカーレット、流石にそれは心臓に悪い」
「…ゴメンナサイ」
「まぁ、悪気はないってのはわかってるけどな」
「…あの魔物は、あなたの…」
「あぁ、俺がテイムした魔物だ…あんた、なんか死にかけてたが…」
余談だが、ゴルディオスはデカすぎるため出していない。
「…ごめんなさい、それは言えません…」
「そうか、なんか理由があるんだな…なら聞かないでおくよ」
「はい…助けて頂いたのに…」
「まぁまぁ、俺の母さんには「他人の秘密は明かされる時が来るか聞かないといけない事態になるまで聞かないでおけ」ってよく言われてたからな」
「…良いお母様ですね…自己紹介をし忘れていました。私は…ミレイアです」
「アルマ、そっちはスカーレットで…もう1匹ゴルディオスって言うテイムしてる魔物がいるんだが…デカくて出せないんだ」
「そうなのですね」
「…とりあえず、お前…じゃなかった、あなたはこれからどうするんですか?」
「…追手に関しては今は大丈夫だと思いますが…これから、ですか…」
「…ないなら一緒に来るか?俺は故郷に帰る途中なんだが…」
「いいのですか?」
「あぁ、人と話し合いたかったからな…」
「…ワタシジャ、イヤ?」
「嫌ってわけじゃないが…人と話したかったんだ…ここ最近会ってなかったし」
「ソッカ」
「…仲がいいのですね」
金髪の髪の女騎士はそう言うと、アルマに手を差し出す。
「…これからよろしくお願いします、アルマ様」
「あぁ、よろしく。ミレイア」
アルマはそう言うと、ミレイアの手を掴んだ。