鎧装、目覚める
こんな文才皆無の作品を見てくれる方、ありがとうございます!
「…あー、最悪だ…」
不気味な場所で目を覚ました少年はそう言うと立ち上がる。
(…あのパーティーに身代わりとして置いてかれたんだよな…)
そう考えながら辺りを見渡すが、壁以外何もなかった。
(…これは、死んだか…)
説明しておこう。ここはS級ダンジョンの【ガランディール迷宮】である。ただ、このダンジョンに入って帰還した冒険者曰く、S級より上と言われているダンジョンである。
そして、少年はアルマ。平民であり、とある事情で冒険者となった少年である。
この世界、アルビムートの種族たちはスキルを持っていたりする。アルマもそうだが、そのスキルは【鎧装】、スキルの詳細は不明である。その理由は、そのスキルの詳細が何故か判明していない所謂使用不能状態であるから。当たり前だが、この世界には魔法がある。スキルの情報はチェックオーブという誰もが持つ球体で分かる。
ざっくりとした説明はこれまでにして、話を戻そう。
アルマは痛む身体を抑えながら歩くと、目の前に3匹の魔物が現れる。肥えた身体に、獲物を見つけ笑う黒いオーク 『シュバルツオーク』が現れた。
「シュバルツオーク…A +の魔物が3体…」
それを見たアルマは自分の死を覚悟した…だがその瞬間、アルマの頭の中で家族の記憶が再生された。逞しい肉体を持つ父、優しい心を持った母、その母の血を色濃く受け継いだ姉と妹との生活を
それを見た瞬間、アルマはシュバルツオークを睨みつけた。
「…死ねるかよ、絶対に死ねるか!!!!!」
そう叫んだ瞬間、アルマの身体が光を放ち始めた。そして、アルマの頭にある名前が浮かび上がった。
「…【撃鎧】!!!」
すると、アルマの身体に聖騎士が来ていそうな鎧が纏われる。その瞬間、アルマの身体は消え去り…
一瞬にして3匹のシュバルツオークを倒した。
「…えっ?」
本人も驚き、すぐさまチェックオーブを確認する。
ー
アルマ
スキル
鎧装…あらゆる鎧を身に纏い、扱う。
【撃鎧】…あなたと共に成長する鎧。あなたの力となるものと判断すれば吸収し、力を得る。
ー
【鎧装】の詳細が判明し、【撃鎧】という力も手にしていた。
「…でも、なんで今…まさか」
アルマはあの時の状況を思い出す。【鎧装】の発動には「絶対に生きてやる」という思いが必要だったのではと仮説を立てると、シュバルツオークの魔石を回収する。
「…でも、A+の魔物をあんな簡単に倒すとは…いや、慢心はダメだ。ダンジョンでの慢心は己を殺す…とりあえず元来た道に戻った方が」
アルマはそう言って後ろを見ると何故か壁ができていた。
「…嘘だろ…ダンジョンの道が変わるとか聞いたことがないぞ!」
アルマはその現象に驚愕したが、すぐに落ち着きを取り戻した。
「…帰らせてくれないなら結構!こうなりゃ!このダンジョン攻略してやるぞこんちくしょうがぁぁぁぁぁ!!!」
アルマは多少ヤケクソになりつつ高らかにそう言うと前へ進んで行った。
ー
それから何日か経過したかはわからないが、あれから進んで行ったアルマは階段を下ると森に出た。
「…迷路に何日かかってるんだ…いや、それよりもダンジョンに森か…魔力が豊富だからか…?」
そう考えつつ、ある程度の素材を採取していくと前方から口から火を吐く熊が現れた。
「ヘルベアー…S級の魔物か!」
アルマはあれからある程度調べた【鎧装】を使い、【撃鎧】を纏う。
そしてヘルベアーに対して構えを取った瞬間、ヘルベアーが塵となった。
「…は?」
そして、塵となったヘルベアーの背後には蟷螂がいた。いや、ただの蟷螂ではない。修羅のような顔をした紅色の蟷螂だった。
そして、アルマは感じた。この敵はシュバルツオークやヘルベアーよりもさらに格上の魔物であると
「…逃がしてはくれない…か…」
「キシャァァァァァァァ!!!!!」
蟷螂はそう叫ぶと一瞬でアルマに近づき、その鋭い鎌を振るった。