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13.第四王子と父の攻防

少々短いです。

※テラディウス公国をテラディウス王国に変更しました

 王子はわたしと父に協力を申し出た。畏れ多いのでやめて頂きたい。何が一体そんなに興味をひくのだろう?


「畏れ多くも王子殿下にご協力をお願いするわけには参りません。」

父が至極もっともなことを言ってくれた。そうですよね、そうなんですよ王子殿下?


「そう畏まらなくても結構です。

 協力というのも単純に僕の興味からです。呪術は僕の研究対象でもありますから。

 勿論、息女の呪いについて喧伝する気はありません。ご安心を。」

「ですが呪いに関わるとなると御身が危険に晒されることにもなりましょう。我が国としても看過できません。」

父も食い下がる。頑張ってお父様!

王子が何かガブリエルさんに目配せをした。


「僕には加護があります。なので息女の呪いに関わってもなんら害を受けることはありません。

 その証拠に息女には僕の顔が見えたでしょう?それは僕の加護に彼女の呪いが撥ねつけられたからです。

 そしてこれも内密にしてもらいたいのですが、僕には呪いが可視化して視えるのです。彼女の呪いを僕の目で追うことも可能でしょう。

 どうです?とても心強い協力者じゃありませんか?」

王子はにっこりと微笑んだ。これはただの微笑みではない気がする。相手の表情から感情を読めないわたしでもわかる。


「ですがスプングリス侯爵家としてお返しできるものもございません。」

「貸しを作ろうというわけではありません。

 むしろ協力させてもらいたいのは僕の方です。」

「それに貴族には耳聡い者が多くおります故。

 社交界にあまりお姿を見せず勉学に勤しんでおられる殿下は、我が国の貴族とは等しく距離を置いていると思われております。それが、急に我が侯爵家と親交を持ち始めた、と噂になることでしょう。」

父の言い分に同意する。王子がわたしの呪いに協力するとなると、きっとクリスタがうるさく噛みついてきそうだ。やっぱりこれ以上関わり合いになりたくない。


「うーん、そうですね…都合の良いことにあなたは文部大臣でしたね。

 ではこういうのはどうでしょう。テラディウス王国の第四王子は勉学に勤しむにあたり、貴重な資料や古文書の閲覧許可を申請した。そして文部大臣であるあなたは王城蔵書庫利用の許可を出せる責任者の一人でもある。

 その縁でスプングリス侯爵家と親交を持つ運びとなった、というのはどうでしょうか。」

にっこりととても良い笑顔をしている。あまり駆け引きのことはわからないけど、引かないつもりってことなのかな?


「…わかりました。ではご協力をお願い致します。」

「ええ喜んで。」

とうとう父が折れてしまった。なんてこと。これからも王子と関わることになるのね…


「では今後はマキシミリアンと呼んで下さい。

 3の月からは社交シーズンも盛んになることですし、僕もいくつかの夜会に顔を出すことにしましょう。

 侯爵、あなたの家の誕生パーティーにも招待されてましたね。折角なので参加しましょう。あとで正式に返事を送ります。」

「畏まりました。マキシミリアン殿下。

 私のことはオーガスティンとお呼び下さい。

 また我が家のパーティーにご参加頂けること、光栄でございます。是非にお待ち申し上げます。」

おもむろに王子がわたしに向き直った。


「あなたも今後はマキシミリアンと、名を呼ぶことを許します。

 是非呪いが解けるように微力ながら協力しますね。」

わー、名呼びを許可されてしまった…

これは貴族社会では今後お近づきになってください、ということを意味する。逆に言うと名呼びを許可されなければ、不敬になるので相手の名を呼んではいけない。親しくもない相手に自分の名を呼ばれることもないので便利でもあるのだが。


「ありがとうございます。マキシミリアン殿下。

 わたしのこともセイラとお呼びくださいませ。」

もちろん相手は王族なのでわたしに選択肢などない。名呼びの許可をした。でも愛称じゃないのはささやかな抵抗ね。


「これから短い期間、よろしくお願いします。オーガスティン卿、セイラ嬢。」

「では侯爵様。呪いの依頼者もしくは呪術師が判明しましたら、また解呪にお越しくださいませ。

 また、他にもご不明点等ございましたら気軽にご相談においでくださいませ。」

「よろしくお願い致します、マキシミリアン殿下。

 ガブリエル大神官、後ほど改めて御礼に参ります。」

「よろしくお願い致します。本日はありがとうございました。マキシミリアン殿下、ガブリエル様。」

いろんなことが起きた波乱の一日だった。

 




読んでいただきありがとうございます。

うまくまとまらず少しグダグダになってしまいました(汗

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