表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/125

024 / 初めてのセッション(4/5) おめでとう、君たちの勝利だ!

「では、大ネズミのメインプロセスだ」


 一体目の大ネズミが"アーネ"に襲い掛かる。

 ダメージは避けられない。


「う、けっこう痛いですね……」


「じゃ、二体目も"アーネ"を攻撃だ」


「ひどいです」


「ふはは! 弱っているほうを狙うのは大自然の常識よ!」


 フェリテが宣言する。


「GM、"アーネ"をかばうよ!」


「いいんですか? フェリテさん」


「うん。あたしのほうが防御力高いし、なんなら出目によってはダメージも入らないかも」


「ならお願いします。治癒薬も馬鹿にならないので……」


「了解!」


「では、"フェリテ"が身を挺し"アーネ"をかばう。ダメージは──」


 ダイスを振り、ダメージを決定する。


「うお、マジでノーダメだ」


「カチカチにしといてよかった!」


「ありがとうございます、フェリテさん」


「いいってことよ! あと、さんはいらないよ。あたしもアーネって呼ぶね」


「……ええ、わかりました。フェリテ」


「ああ、セッションを通じて親交が深まっていく……」


 これもまた、GMの喜びの一つだ。

 三体目の大ネズミの攻撃をいなし、フェリテの手番となる。


「よーし、どれ狙う?」


「数を減らすのが定石ですが、"フェリテ"は攻撃力が高いですからね。まだ無傷のネズミを狙っても十分倒せるかと」


「わかった! じゃあ、真ん中のネズミには死んでもらおう」


「ちゅーちゅー、たすけてちゅー」


「やめてよ、殺しにくくなるでしょ!」


「冗談冗談。さ、判定どうぞ」


「はーい」


 フェリテがダイスを振る。

 出目は、5と4だ。


「問題なく命中。ダメージどうぞ」


「えーと、全力攻撃で5D6と、あとなんだろ」


「攻撃力で+10だな」


「六面ダイスを五個振って、と」


 五個のダイスがころころと転がる。


「ごー、よん、にー、さん、にーで、16かな」


「そこに+10で、26点ですね」


「ざん! ばっさり! 死んだ? 死んだ?」


「大ネズミは"フェリテ"の戦斧によって、頭頂から股間までを両断される。哀れネズミは真っ二つ。一体撃破です」


「やったー!」


「いい感じですね、フェリテ」


「このまま絶滅させてやろう!」


「それはやり過ぎだろ」


 初戦闘だけあって、危なげなく進んでいく。

 残りの大ネズミ二体は、次のラウンドで天に召されていった。


「──おめでとう、君たちの勝利だ!」


「やったね、アーネ!」


「ええ、やりましたね」


 フェリテとアーネが小さくハイタッチを交わす。


「じゃ、経験値を配付したあと、ドロップアイテムをダイスロールで決めようか」


「魔物を倒したら、なんか落とすんだっけ」


「まあ、現実ではそうそう落とさないんだけどな。あくまでゲームってことで納得してほしい」


「当然、もらえるものはもらっておきますよ」


「さすがアーネ、したたかだね」


「では、大ネズミの数だけ2D6を──」


 ドロップ品ロールを行いながら、酒場に設置された振り子時計を見る。

 そろそろ十時になる頃合だった。

広告下の評価欄より【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると、執筆速度が上がります

どうか、筆者のモチベーション維持にご協力ください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ