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非公式交流クラブ~潜むギャップと恋心~  作者: じょー
第二章 まだまだ共通ルート
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よろしくお願いします~!

書き溜めがそろそろヤバいことをお知らせ致しますよ(^_^;)




 


 デパートを後にして、たまたま見付けた公園のベンチでお昼にし、俺達はゲーセンの前にゲームショップへと向かった。


「ふぉあ~ふぉあ、ふぉあ~」

「椋一、あまりキモい声を出さない方が良いと思うぞ?」


 それは失敬。

 コホンと咳をひとつして、気を取り直す。たしかに我ながらキモい声を出していたと思う。

 しかし、目の前の光景をして、どうして気持ちが上がっらずにいようか。


「うぉ~! 新作新作ゥー!」

「テンション上がり過ぎじゃないか!? 学校ではそんな姿見ないのに!」


 ケンゾーが何か言っているが軽く無視していく。

 ひとつのゲームを手に取って見る。そして、棚に戻す。また手にしては戻す。

 そんな作業をゆっくりと時間を掛けて繰り返す俺に、ケンゾーは呆れたのか少し離れた場所のゲームを見に行った。

 新作やまだ未プレイの準新作、中古のギャルゲーのパッケージを舐め回す様に見ていく。テンションが上がっていく。めちゃくちゃ楽しい。


(これは……違うな。こっちもか……。これは……おぉ! これはイイぞっ!)


 ドジっ子優等生? ――要らない。

 根暗なアイドル? ――要らない。

 元ヤンキー先生? ――要らない。

 箱入りお姉さん? ――要らない。


 パッケージの裏に書いてある簡易なキャラ説明を見て、すぐに棚へと戻すゲームが多かった。

 たしかに、人気が出そうなギャップの良い所を突いている。そこは認めざるを得ない。もし俺が、王道系よりも先にギャップ系をプレイしていて、それにハマっていれば迷わず購入していただろう。

 だがそれは仮定の話。今ここに居る俺は、躊躇(ためら)う事なく『王道系が好き!』と宣言が出来る俺だ。

 それで好みの作品をしばらく探していて……ついに気になるのを手にすることが出来た。


 お節介焼き幼馴染――要る!

 金髪ツンデレバカ――要る!

 しっかり者義妹様――要る!

 ギャグ要因中二病――要る!


 新作ゾーンに置いてあった商品で、とても自分に刺さりそうなゲームに出会えた。

 キャラの絵も良いし、ギャルゲーだからこその舞台設定も面白そうだ。

 主人公とヒロイン全員は小さい頃から知っている仲で、引っ越していたが高二になって住んでいた町へと戻ってくる所から始まるのもオーソドックスで良い。

 キャラの性格はもちろん買う為の選考基準になるが、ストーリー性も当然として気にして買っている。

 ギャルゲーの醍醐味を挙げるとしたら、キャラクター達の掛け合いというのは真っ先に思い浮かぶ。だけど、キャラが織り成すストーリーも間違いなく醍醐味と言えるだろう。

 その二つが合わさってこそギャルゲーなのだ。萌えゲー泣きゲー燃えゲーと、ギャルゲーの中でも細分化は可能だが『キャラ』と『ストーリー』が主軸になっているのはどれも同じだ。


 仮にそこにもうひとつ……『エロ』という要素が加わればエロゲーとなるのだが、そっちの方はまだ詳しくは知らない。

 どれくらい知らないかと言えば、PCでプレイするのがエロゲーというくらいの知識しかない。あとは、ネットで『エロシーン目当てでエロゲーをしている訳じゃない! でも、エロシーンは絶対に必要だ!』と、よく分からない事を言っている人を見掛けたくらいだ。


 俺がプレイしたギャルゲーの中にも、元々はR指定のPCゲームだった物は多い。エロゲーからギャルゲー、十八禁から全年齢版にして発売されている作品は多い。

 むしろ、今ではそれが主流とさえ思う。全年齢にするのが難しい作品もあるだろうから、俺もいずれは人気作品の為と言って購入するだろう。

 先の見えない自分の人生だけど、それだけはハッキリと見えている。


「よしっ、これ買うか! これでしばらくは退屈しなそうだな!」


 ギャルゲーあるあるとしてあるのが、共通ルートを読み進めるのに意外と時間が掛かるという事。

 思ったよりも長尺で……キャラへの理解度が深くなるにつれ、スタート時の印象で予定した攻略順を変えたい衝動に駆られがちになるのもまた、あるあるだろう。

 共通ルートの文量に驚いてから待ち受けるのが、そこからの個別ルートの長尺さ。

 キャラ一人一人に共通ルートと同程度の文量が用意されてあり、その魅力が余すとこなく伝えられる。

 二周目の共通ルートは既読部分をスルーするから、初回よりも時間は掛からないだ。それでも、個別ルートを読んでいくと時間はそれなりに掛かる……掛かるというか、気付いたらそれだけ時間が経過していたと表現した方が正しい。


(いつも、楽しんでたらあっという間に時間が経ってるもんなー)


 とりあえずまぁ、ギャルゲーをひとつ買って、まったりプレイしていればしばらくは退屈はしないという事だ。

 お値段以上に楽しめる時間が長いというメリットがギャルゲーにはある。三次元にトキメキを感じなくなる可能性があるというデメリットもあるが、それは個人ののめり込み具合による。

 俺はもう駄目なゾーンに入り掛けているかもしれない……。


「やっと選んだのか?」

「すまない、待たせた。良いのがあったあった!」

「時計見てみろよ……」


 スマホを確認すると、入店する前の時刻から確実に一時間は経過していた。

 どうやら熱中していたらしい。ゲーセンよりも先に来て正解だった。

 ケンゾーを待たせていた件については軽く謝って、会計をした後にすぐさまゲーセンへと向かった。

 ゲームショップとゲーセンは目と鼻の先にあって、俺達はクレーンゲーム、メダルゲーム、格ゲー……と先に使う金額の上限を決めてから、夕方になるまで遊びに遊びまくった――。


「はぁー、遊び疲れたな」

「うむ。良い気晴らしになった。この文鎮を今日の思い出として部屋に飾っておこう」


 地元の駅に降りたって、俺とケンゾーは帰って来た感に包まれていた。

 帰りの電車は、二駅だが座って過ごした。

 大金を叩いたクレーンゲームで、唯一取れたキモキャラのぬいぐるみ。売れば数百円しかしなそうな物が入った袋を手にして、改札を抜けていく。


「では椋一よ、今日はここまでだな」

「おう。今日は助かったぜ」

「なに、都合が合えばいつでも良いさ」

「お前の辞書には?」

「――不可能の文字は無いからな!」


 最後にバチッと決めて、俺達はそれぞれの帰路に着いた。

 スーパーで買い物をして、家まで帰ってくる。


「――お帰り。さっそく働いてちょうだい? お母さんもうクタクタだからね?」

「はいはい。すぐ準備してくるよ」


 買ってきた荷物を母さんに預け、部屋に戻っていく。

 ゲームとぬいぐるみをとりあえずベッドに置いて着替え、すぐに調理場へと移動して仕事の手伝いに入った。


 そして数日後、日曜日の朝。喫茶店入口のベルが鳴った――新しい一日の始まりを告げる鐘が。



 ◇◇◇




誤字脱字その他諸々ありましたら報告お願いします!(´ω`)


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