エンドサナトリウム
金も、頼れる大人もおらず取り残された姉弟の、ひと夏のディストピア。
弟の自由研究にと昆虫採集へ出かけた2人。自殺した鴉の死骸をみつけ、中から這い出した紫色の蝿を追いかけて雑木林を抜け、湖畔に建つサナトリウムに辿り着く。
そこには、死ねずに死を希求する『死病』を患った人々と、姉弟の小学生時代の校医が待っていた。
毒草だらけの庭。
車椅子に拘束された、校医の妻を殺した義弟。
腐っていく体で、気の触れた男。
弟の『処置』のために待っていたという校医。
そして、自らも『死病』であるという弟に告げられる別離。
「俺はここに残るよ。姉さんは自由の身だから、もう、なにも我慢しなくていいんだ。死ぬも、生きるも。でも、夏休みが明けるまでは一緒に過ごそう」
弟の言葉が信じられず、連れ帰ろうとする姉に、弟の肉体の死が近づいていると告げる校医。
死病とは、死を売り渡した人間の慟哭。肉体が死んで腐り落ちれば、死をばらまく死蝿となって彷徨い、人間に寄生して死を招く。
処置をしなければ弟も同じ運命を辿ると告げられ、心臓が止まるまでの猶予期間、2人はサナトリウムで過ごすことに。
だが、育つのは離れがたい気持ちばかりで、いっそのこと同じ病であればと思い始める姉に、弟が語る真相。
それは、死を目前にした瞬間に現れる、謎の死を買う男の存在。男は神出鬼没で、サナトリウムの持ち主だという。死の気配に現れて、傲慢に、自分のためだけに死を集め、死ぬためだけに生きているという。
男に会いたいと願う姉だが、刻一刻と時間は過ぎていき、ついに夏休み最終日が訪れる。
1人サナトリウムを離れ、彼女が選んだ結末は、眩しいヘッドライトと轟音の中だった。
弟の自由研究にと昆虫採集へ出かけた2人。自殺した鴉の死骸をみつけ、中から這い出した紫色の蝿を追いかけて雑木林を抜け、湖畔に建つサナトリウムに辿り着く。
そこには、死ねずに死を希求する『死病』を患った人々と、姉弟の小学生時代の校医が待っていた。
毒草だらけの庭。
車椅子に拘束された、校医の妻を殺した義弟。
腐っていく体で、気の触れた男。
弟の『処置』のために待っていたという校医。
そして、自らも『死病』であるという弟に告げられる別離。
「俺はここに残るよ。姉さんは自由の身だから、もう、なにも我慢しなくていいんだ。死ぬも、生きるも。でも、夏休みが明けるまでは一緒に過ごそう」
弟の言葉が信じられず、連れ帰ろうとする姉に、弟の肉体の死が近づいていると告げる校医。
死病とは、死を売り渡した人間の慟哭。肉体が死んで腐り落ちれば、死をばらまく死蝿となって彷徨い、人間に寄生して死を招く。
処置をしなければ弟も同じ運命を辿ると告げられ、心臓が止まるまでの猶予期間、2人はサナトリウムで過ごすことに。
だが、育つのは離れがたい気持ちばかりで、いっそのこと同じ病であればと思い始める姉に、弟が語る真相。
それは、死を目前にした瞬間に現れる、謎の死を買う男の存在。男は神出鬼没で、サナトリウムの持ち主だという。死の気配に現れて、傲慢に、自分のためだけに死を集め、死ぬためだけに生きているという。
男に会いたいと願う姉だが、刻一刻と時間は過ぎていき、ついに夏休み最終日が訪れる。
1人サナトリウムを離れ、彼女が選んだ結末は、眩しいヘッドライトと轟音の中だった。
ブラザーコンプレックス
2019/10/17 17:57
(改)
スーサイド
2019/10/31 12:56
(改)
迷走
2019/11/07 17:50
(改)
むらさき
2019/11/18 22:29
(改)
終末療養所
2019/12/01 22:26
(改)
カミソリと飴玉
2019/12/10 20:36
(改)
メメント・モリ
2019/12/26 13:02
窓の外へ……
2020/01/03 18:11
(改)
ウォータープルーフ
2020/01/13 00:50
左の心音 右の鼓動 01
2020/01/26 17:31
左の心音 右の鼓動 02
2020/01/26 17:32
015迷仔
2020/02/09 17:14
罪悪
2020/03/05 08:46
彼の死
2020/06/16 22:15