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24.就職祝い。そしてキョウと琴子は放火犯を追う

 思いがけずチョコパフェをご馳走になった伊織は、恐縮のあまりカウンターにキョウと並んでジャガイモの皮剥きを手伝っていた。


 六時近くなって、扉のベルがまた音を立てる。制服姿の琴子が店の中に入ってきて、店内にいる一同を軽く睨みつけた。いや、おそらく琴子にとっては、ただ一通り視線を送っただけなのだろうが。

 伊織はやはり気圧されて、会釈をする。キョウは「よお」と視線だけ上げて軽く声を掛けたが、あおいは露骨に嫌な顔をした。


「……何しに来たのよ」

「別に、あんたんちじゃないでしょ?」


 バチっと視線が交錯し、あおいはすぐに顔を逸らす。


「鈴音さんに用事があるだけ。――中?」

「ああ」

 キョウがまた目線だけ上げて答えると、琴子はそのまま黙ってバックヤードに入っていった。


「あの……もしかしなくても、あの二人って仲悪い……よね?」

 二人の様子にまたもや恐怖を感じた伊織は、声を潜めて恐る恐るキョウに聞く。キョウは玉ねぎを手に、何でもないことのように笑った。


「琴子は基本、誰とでも仲悪りぃけどな」

「あはははは……」

「そのうち慣れる」

「はははは……」


 伊織は笑いを引きつらせる。


(あと、琴子の能力って……)


 聞くのは少々怖い。だが本人に話しかけるのはもっと怖い。逡巡の末、皮を剥き終えたジャガイモと包丁を置いて。


「あのさ、こと……」

 言いかけたところで、顔の横を何かが風を切って飛ぶような気配がし、続けて物が当たったようなシュタッという小さな音がした。

 

(何か飛んだ?)


 音のした方に目をやり、「ヒエっ!」と伊織は椅子から十センチほど跳び上がっていた。

 キョウの背後の壁に、包丁が突き刺さっている。キョウはわずかな動きでかわしたようで、少々斜めの姿勢になってそのままジャガイモの皮剥きを続けている。うろうろと視線を泳がせて手元を見ると、包丁がなくなっていた。


(……ほ、包丁、飛びました……?)


「……ん?」

 キョウは、自分とその後ろに突き刺さっている包丁を交互に見ながら驚愕に固まっている伊織に気づき、壁に突き刺さっている包丁を引っこ抜くと伊織に渡してよこしながら。


「お嬢ー。危ねえだろ、刃物振り回すんじゃねえよ」

「伊織くんに何をコソコソ話してんのよ!」

「なんでもねえよ、八つ当たりすんな。あと建物に傷つけんな」

「あんたに言われたくないわよ!」


(み、見なかったことにしよう……)


 ジャガイモが残りひとつになった頃、琴子と鈴音がバックヤードから出てきた。また気配に反応して目を上げてしまった伊織は、琴子と思い切り視線を合わせてしまって内心で慌てる。


 琴子は伊織の顔を数秒間見つめると、不機嫌そうに鼻を鳴らして目を逸らした。怖いのだが、そんな仕草もそこはかとなく美しい……でも怖い。あからさまにビクビクしている伊織の後ろを通りすぎる時、琴子は一度立ち止まった。そして、

「……悪かった」

 ぽつりと言葉を落とす。


(……え?)


 何を言われたのだろう? 空耳? と耳を疑い、振り返ったらいつもの不機嫌そうな表情の琴子とまた目が合った。


「……昨日のこと」

「え、えっと……いや……え?」

「もう読んだりしない。だから、別にそんなに脅えなくてもいい」

 そう言って、伊織の後ろを通り過ぎて窓際の席に座る。


「あ、……はい」

 それ以上の言葉はない様子に、遅れてそう答え、カウンターに向き直って。それから説明を求めるように隣のキョウに視線を送る。キョウは応えずに、皮を剥き終えたジャガイモのボウルを持って立ち上がり、キッチンへと運びかけて――。通りに面した大きな窓に目を向け、そこで足を止めた。


「やべえ……」

 つぶやいて、慌てた様子でジャガイモのボウルを適当に置き。

「鈴音さん、俺ちょっと用事」


 微笑を浮かべて手作業をしている鈴音にそう言って、カウンター奥に消えていく。

 それからほどなく入り口の扉が開き、ハルと楠見が揃って姿を現した。


「鈴音さん、こんにちはー。みんなお揃いなんだ? あれ? キョウもいたと思ったんだけど」

 ハルが楽しげに言うと、鈴音は微笑んでバックヤードを指差す。


「……裏口から逃げやがったな……ハル、呼び戻してくれ」

 舌打ちをする楠見に、ハルは愉快そうに笑いながら携帯電話を取り出した。


「鈴音さん、お邪魔します。ブレンド二つ、お願いします」

 楠見は店の真ん中のテーブルにつきながら、鈴音に会釈する。そして、カウンターの伊織に目を向け微笑んだ。

「伊織くん、アルバイト決まったんだって? 良かったね、おめでとう」


「あ……! ありがとうございます! あの、おかげさまで……ほんと、助かりました」

 伊織は慌てて頭を下げる。楠見は頬杖をついてもう片方の手をひらひらと振った。

「そんなにお礼を言われるほどのことはしてないよ。コンビニだって?」

「はい! 明日からです」


「ああ、キョウ。――ん? 楠見? 帰りに一緒になってさ、話があるって。戻ってこいって。――え? 壁?」


 楠見の向かいに腰を下ろしながら、ハルは電話に向かって話している。そのハルに、楠見は、

「『怒らないからさっさと戻ってこい』って言ってくれ」

 と、ため息混じりに伝える。ハルは笑った。


「怒らないからさっさと戻ってこいってさ。――うん。――仕事の話だろ?」


 楠見さんが怒る? 何かやらかしたんだろうか? そんなことを考えていると、楠見はまた伊織に目を向ける。


「伊織くん、夕食まだだろ? 『就職祝い』だ、好きなもの食べていいよ」

「え! そんな、えっと……」

「伊織くんの就職祝いパーティするから、好きなもの食べていいってさ」


 伊織があたふたと返答する前に、ハルが電話口に向かってそんなことを言う。楠見は一度苦い顔をしたが、「まあいいや」とつぶやいてあおいと琴子を振り返った。


「お嬢と琴子も、食べていくかい? ――鈴音さん、食事まだいいですか?」


 あおいは「やったあ! あたしオムライス」と機嫌よく笑う。琴子は相変わらずの表情で目線もテーブル上に広げた本に落としたままだったが、つぶやきよりは少し大きな声で「カレー」とひとこと言った。


「すぐ戻るって」

 ハルが電話を置くと、その言葉通りキョウはすぐに表口から姿を現した。警戒するような上目遣いで楠見の顔を見つつ、ハルの隣の椅子を引いて腰掛ける。


 楠見はキョウが席に着くのを腕を組んで待ち、それから、

「『パイロの件』で動きがあった。今夜、出られるか?」

「ん、いいよ」

「よし――じゃ、その前に腹ごしらえだ。伊織くんの就職祝い兼ねて」

「分かった。鈴音さん、俺、オムライスとデミグラスハンバーグとナポリタン」


 キョウが神妙な顔で楠見に頷き、そして鈴音に向かって注文する。ハルも笑顔で、

「俺は和風ハンバーグときのこスパゲッティとエビピラフ」


(え……二人とも、その注文の仕方って……?)

 戸惑いつつあおいのお勧めのオムライスを注文すると、キョウとハルは口々に声を上げた。


「伊織、そんなもんでいいのか?」

「もっと食べてもいいんだよ? 夜中にお腹減っちゃうんじゃないの?」

「楠見の奢りなんだから、遠慮とかしねえでいっぱい食え」


「……お前らは少し遠慮しろ……」

 楠見は苦々しく言ったが、すぐに伊織に苦笑を向ける。

「伊織くん、たくさん食べていいけど、念のため言っておくとハーフサイズとかじゃないからね。こいつらが食い過ぎなだけだからね」


 そういえば、朝ごはんも結構な量だった。キョウは半分眠りながらご飯を三、四回お代わりしてたな……。と思い出す。

(なんで太らないんだろう……)


「鈴音さん、俺はカレーをお願いします。――キョウ、手伝ってこい」

「ん、分かった」


 急に大量の注文が入り忙しくなった鈴音を気にして楠見が言うと、キョウはまた神妙に頷いてカウンターに入っていった。


 謎の関係の中に、鈴音がひとり加わった……と伊織は思う。ハルとキョウのマンションにある喫茶店、というだけではない。大した根拠のない直感ではあるが、ハルやキョウを通してではなく、楠見と鈴音に直接の繋がりがあるような雰囲気を感じたのだ。が、それはたとえば恋人であるとか友人であるとか、それほど打ち解けた仲でもないだろう。楠見は鈴音に気を遣っているし、鈴音も楠見に対して甘えた様子がない。


 この人々がどういう関係なのか興味はあるが、手持ちの情報だけで推し量ることは当然できず、伊織は呼ばれるままに席に着く。楠見を中心に、全員が店の中央のテーブルに集まった。

 あ、なんだか本当にパーティーみたいだ……と、伊織は少し照れた。








 午前零時。新宿西口の高層ビル群から少し隔たった、オフィスビルに古い商店や民家が入り混じる地域で、キョウと琴子は牛丼チェーン店の店内を外から窺っていた。


 表通りはまだ営業している店が多く、昼のように明るい。歓迎会シーズンとあって、店から出てきて歩道を占拠するグループ、管を巻きながら次の一軒を求めて歩く酔っ払いや、終電を気にして足を速める帰宅者で、人の行き交いは混沌としている。数十メートル離れた裏通りにも、それらの雑多な空気を引きずって歩いてくる集団が時おり姿を現すが、じっと建物の陰に佇み一点を睨み続けている場違いな高校生二人に目をくれる者はない。

 表通りから溢れ出てくる喧騒を受け流しながら、二人の視線は牛丼店のカウンターでこちらに背を向けているひとりの若い男性にひたと向けられていた。


「……なに食ってんだ?」

「ねぎ塩牛丼、大盛り……紅しょうがを、これでもかってくらい載せて……味噌汁付き」

「……牛丼、美味そうだな……」


 キョウがぽろりと漏らした言葉に、琴子は信じられない、というように眉を上げた。


「あれだけ食べて、まだ足りないの?」

「いや、足りないっつーか、足りなくはねえけど……でも美味そうじゃん」

「終わった後で、楠見さんにでもたかったら?」

「『たかる』って言うな」


 答えつつ隙のない視線で牛丼店を見張っていたキョウだが、隣で琴子が店内の男に意識を集中し出した気配を察し、さらに気を引き締める。


――船津さんから、江戸川の連続放火事件の被疑者を特定したと連絡があった。同時に新宿のほうも、今夜あたり動きがありそうだ。

 ベルツリーにやってきた楠見からそう告げられ、「出動」の依頼を受けてキョウと琴子は新宿にやってきた。


 新宿のパイロキネシスは、防犯カメラから人物は特定されていたが、名前も身元も一切不明だった。

 二十代くらいの男性。週に何日か、区内の二十四時間営業のインターネットカフェに寝泊りし、そこを足場に「放火活動」を展開している。ネットカフェの会員証を作るときに使った身分証明書も、他人の紛失したものを使ったと見られている。


 その人物が、三日ぶりに来店した。そんな通報が今日の昼間、ネットカフェから警察に届いた。これまでの傾向から行くと、犯人は来店すると半日ほどを個室で過ごし、夜中になると出ていって、朝方に再来店。そしてまた夜になると退店。それを二、三日に渡り繰り返す間に、新宿区内で放火事件が起きている。昼間から刑事が張り込んでいるので、今夜動き出すタイミングで追跡を変わって欲しいという要請だった。


「シバタ……シュウイチ? 十九歳くらい……高校を中退して、最近まで家に引きこもっていたみたい。家は……川崎か横浜のほうみたいだけど、よく分からない。昼前に東急線に乗っている」


 琴子が目を細め、細い通りを挟んだ牛丼屋のガラス越しに、シバタという男を凝視しながら言う。睨んでいる、と言っても差し支えない表情は、琴子の表情としてはいつもとさほど変わりはない。キョウはしかし、いま琴子が離れた相手の心理を懸命に探っていることを知っている。遠くにあるものを、目を凝らして見るときに似ている。


 口調が心許ないのは、知らない相手の心を離れた場所から読んでいるから。知り合いでもない相手の意識を選り分けて読み取るには、ここは人の数が多すぎる。

 それに、名前や年齢などのプロフィールは常に意識に浮上させていることではないため、「取り出し」にくいのだという。


「新宿の連続放火の犯人には間違いない。先日の放火の時のことを考えている」


 キョウは同じようにシバタという男の丸い背中を油断なく見張りながら、琴子の得た情報を聞く。


「東口の雑居ビルの裏の、積んであった段ボールを燃やしたときのことが一番印象に残ってる……あの時は良く燃えた、気分が良かった……次も、あんな『素敵な物』が見つかればいいのに……」


「『素敵な物』?」

 出てきた言葉への違和感に、キョウは眉を顰めた。


「火の、つきやすいもの、だと思う。気持ちよく燃え上がるもの。いろんなものに手当たりしだい火をつけているけれど、満足だったり不満だったりするみたいね」

「ふうん……」

「火をつけるのは気分が良い。上手く燃え上がれば、もっと気分がいい……」


 そんなものか? とキョウは首を捻る。キョウは「破壊専門」と言われるが、物を壊して気分が良くなったこともないし、綺麗さっぱり壊れた物を「素敵な物」と思う感覚もない。


「気分がいい……というか、なんだろう、この気持ち……ワクワク? ゾクゾク? ……ううん……」


 シバタの意識の中にある名状しがたい感覚を、理解して表現する方法を探っているのだろう。琴子が目を閉じたのを見て、キョウは「琴子」と一度声を掛ける。すぐに琴子はゆっくりと目を開いた。


「しばらく火をつけないと、とても気分が悪くなる。動くのも億劫になって……やる気が出ない……知らないうちに、その辺の物に火をつけてしまう。その時の気持ちは……なんだろう……ものすごく……」


 琴子がゾクリと肩を震わせた。キョウはもう一度「琴子」と呼び、肩を掴んで引き戻す。

 人の感情というのは、一節の明瞭な文章になっているものではない。混沌とし、漠然としていて、まとまりはなく非常に掴みどころのないものだ。琴子はその中に入り、探り、それを言葉にして他人に伝える。

 が、対象の思考が常に琴子の知っている言葉で表現できるとは限らない。理解できない感覚を伝えるのは、難しい。無理に探ろうとすれば、相手の意識の中に引き込まれ、沈んでしまう。


「……病気じゃねえの、それって」

 キョウはため息をついてまとめた。シバタが何を考えているのか完全に理解することはできないが、尋常な精神状態ではないことは確かだろう。


「病気、なんだと思う」

 琴子も頷く。

「……病気、に、なったの。最近のこと……火をつけなくてはいられなくなった。あのDVDを見てから……火をつけられるようになったのは嬉しいけれど……苦しいから……」


 キョウはわずかに眉を寄せる。

 最近火をつけられるようになった――?

 それに、DVDってなんだ?


 頭を掠めた何かの符丁のようなものに、一瞬シバタから注意が離れそうになり、一旦思考を中断した。何か、手がかりを得たような感触。が、今じっくり考えている暇もない。後でハルや楠見に考えてもらおう。


「DVDって?」

 問うと、琴子は少し考えるように――それは相手の思考を探る間なのであろう――黙ってシバタに向けた目を細めた。


「DVDが届いた……それを見てから、パイロの能力に目覚めたの……あれは……冬の終わりごろ? まだ厚いセーターを着て、暖房が効いた部屋で……DVDの内容は…………なに? ノイズ……みたいで、はっきり読めない……能力を(、、、)――もっと(、、、)――」

「琴子、無理すんな」


 キョウは三たび琴子の名を呼び、その肩に手を置いた。

 犯罪者の精神に深入りするのは危険だ。うっかり踏み込み過ぎぬように、横にいる者が見守りコントロールしなければならない。琴子は優秀なテレパスで、その気になれば人の心の奥底まで潜り込むことができる。だからこそ、引き戻す役割の者が必要となる。琴子もそれを自覚し、引き戻す人間が傍らにいるから読む(、、)ことに集中できるのだ。


「それで、次にいつどこでやるのかは分かるか?」

「これからこのあたりを歩いて、何かいい物が見つかればいつでも火をつけるつもりだと思う。計画はないけど、とりあえず西のほうに行ってみるつもり。……東口は飽きてしまったし、商店街も警戒して表に物を出さないようにしているから……」


「これからかよ……」

 キョウはため息をつくが、やっぱりな、と思う気持ちも大きい。これまでの犯行の傾向から見て、犯人が「常宿」としているネットカフェに入ったら、当日中に放火を行うことは予測できていた。それ以外には法則性もなく行き当たりばったりで、「次はいつどこで」と予想するのは難しい。

 可能なら今日は様子を探るのみにとどめ、安全で効率的な作戦を練って改めて対峙したかったのだが、分かっていて次の犯行を見過ごすわけにもいかない。

 この場で取り押さえるしかない、か――。


 過去十二件の犯行から見ても、相手のパイロキネシスの能力はさほど大きくない。キョウが実際に目にしてみても、武蔵野の犯人ほどの火力も持っていないように見える。ひとりで犯人を追い、取り押さえて無力化することも、難しくはないはずだ。


 キョウはもう一度軽く息をついて、周囲を見回した。

「琴子、俺はあいつを追う。お前はそこらへんの店にでも入ってろ」

 曲がり角のところに煌々と明かりを放つ一軒のコンビニを見つけ、指差す。


「ひとりで平気?」

「大丈夫だろ。それよりお前はあいつに顔見られねえほうがいい」

「……分かった」

 琴子は少し考えてから頷いた。


「楠見に電話して迎えにきてもらって、ついでにシバタのことも話しといて。捕まえて、場合によっちゃタイマも済ませてからまた連絡する」

「分かった」


 楠見はどこか遠くはない場所で、キョウや琴子からの連絡を待っている。

 犯人からの事情聴取などはキョウも苦手だし好きでもないので、捕まえた後は楠見に丸投げしたいところだ。

 牛丼屋のガラスの向こうで、シバタが席を立つ気配を見せた。


「じゃあな、また後で」

「気をつけて」

「お前もな。変なヤツに声掛けられても、叩きのめしたりすんなよ」

「お嬢じゃないんだから」


 キョウとしては、この件に関しては琴子もお嬢もさほどの違いはないと思っているのだが、深く追及せずに軽く手を振り琴子と別れた。

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