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18.伊織、安全だと思っていた自分の部屋に、そんな

 部屋の状態についての心配は、特段問題もなく解消されたが、伊織は別の問題に直面していた。


 一人暮らしの六畳間。そこに、殺風景なボロアパートの一室にはおよそ似つかわしくない、美しい女子高生二人。と、部屋の主である伊織。狭い空間に、重い空気――。


(も、もしかしなくてもこの二人、仲悪いのかなあ……)


 衣川あおいと武井琴子。学年切っての美少女二人は、どちらも綺麗な顔をしているのだが、その美しさの方向だけでなく性格も正反対のようだ。「太陽と月」とでも言うか。「炎と氷」とでも言うか。


 小さなちゃぶ台の両側で、その二人は一言も口をきかない。部屋の主は、まるで修羅場のような空間に身を小さくしていた。

 あおいは伊織の部屋を興味深げに見回している。琴子は無表情に、何も置かれていなちゃぶ台の上の一点を凝視し身じろぎもしない。二人とも取り立てて不満のあるような様子でもないが、伊織としては落ち着かない。


 間が持たずに、とりあえず何か思いついたような顔をして台所に立っていき、冷蔵庫の中を覗く。作っておいた麦茶が三人分あることに一瞬ほっとしかけたが、こんなものを美少女二人にお出ししていいものだろうか……いやその前に、コップがひとつしかないのだった……。ガクっと肩を落とし、冷蔵庫の取っ手にぶら下がる。


(ああ俺は、どうしてこう間が抜けているんだ……)


 ひとり台所で落ち込んでいると、それに気づいたようにあおいが声を掛けてきた。


「あ、相原くん、気を遣わないでね」

「ごめん、何かお茶とか買ってこようかな……」

「それならあたしが……」


 あおいが立ち上がりかけたところで、インターホンが鳴る。正直それで、気が抜けるくらいに安堵した。


(良かった……キョウが来たのかな)


 そう思って玄関のドアを開けると。


「……あ、あれ? ハル?」


 立っていたのは予想外の人物――昨日に続き今日も授業が終わった瞬間に姿を消していた、神月悠。


「どうも、ハルでーす。お邪魔していい?」


 ハルはにっこり笑って靴を脱ぎ始める。ハルの後ろからキョウが姿を現した。二人して手に二つずつ、コンビニの袋を提げている。


「ど、どうぞどうぞ。狭い部屋ですけど……」

「これ、どうぞ。手ぶらじゃなんかなと思って……へえ、けっこういい部屋だねえ」


 室内に入り袋を差し出しながら、ハルが部屋を見渡して言う。続いて無言で入ってきたキョウからも袋を受け取る。ペットボトルのお茶や炭酸飲料がなにやらたくさんと、温かい包み、それに袋入りの菓子が大量に入っていた。


「あ、ありがとう。良かった。何も出すものがなくってさ……」


 キョウだけでなくハルまでやってきたことに、疑問を感じはした。が、もちろん大歓迎であるし、取り立てて理由は聞かずに袋の中身をちゃぶ台に広げた。そこで、ふと気がつく。


(――ん? 俺を送ってきてくれたってだけじゃないんだ……? これからお茶会でも始まる感じ?)


 これって「一人暮らしの部屋に友達を招いている状態」では? ちょっと憧れていた状況。伊織は今さらになって、少しだけポジティブな方面に胸が高鳴るのを感じた。

 ハルとキョウはすぐには座らずに、室内をきょろきょろと見回しながら歩き回る。同級生の一人暮らしするアパートの一室というものが、珍しいのだろうか?


 ハルはあれこれ確認するように部屋の奥まで歩いていくと、掃き出し窓に歩み寄って半開きになっていたカーテンを一度開き、外を見渡してからカーテンを閉じた。キョウは――。


「え? えっと……何してるの?」


 キョウはカバンからトランシーバーのような携帯ラジオのような機械を取り出し、立ったまま弄り出した。伊織の質問には一瞬目を上げただけで、すぐに機械に視線を戻す。


「伊織くん、こっちこっち。これ食べようよ」

 ハルがちゃぶ台の前に座り、ペットボトルの袋を手に取りながら招く。


「あ、うん……」

 言われた通り座りつつも、キョウの動きが気になって目で追ってしまう。と、ハルがまた伊織を呼ぶ。


「伊織くん、気にしないで。それよりも伊織くんはウーロン茶とコーラとジュース、どれがいい?」

「あ、えっと、それじゃコーラを……」

「はい。お嬢と琴子は?」

「あたしウーロン茶がいい!」

「……緑茶はないの?」

「あるよ。はい」

「あ、あの、お金を……」

「いいよいいよ、こっちが勝手に押しかけちゃったんだし。ねえ、テレビつけてもいい?」


 ハルは屈託のない顔で笑う。頷いて、伊織はリモコンを取ってテレビをつけた。

「何か見たい番組があるの?」

 尋ねながら、リモコンをハルに手渡す。


「ううん。なんとなく。ありがと」

 ハルはリモコンを受け取ったが、チャンネルを変えることもせずに音量を少々大きめにして、すぐにリモコンを置いた。そして、袋に残っていたものをちゃぶ台に並べ始める。


 キョウが歩き出す気配を感じて振り返ろうとしたところで、またハルに声を掛けられる。


「伊織くん、肉まんとアンマンとピザまんはどれが好き?」

「あ、じゃあ肉まんで……」

「はい。お嬢と琴子は?」


 そんなやり取りをしている間も、キョウは手に持った機械を調整するような動きを続けながら室内を歩き回っている。気になってつい目が行ってしまう。そのたびに、ハルが伊織の注意を引き戻す。


「伊織くん、お煎餅とクッキーとチョコはどれが好き?」

「え? ええっと……」


 菓子の包みを開いて、次々とちゃぶ台に並べていくハル。


「いっぱい食べて。って言っても、夕ごはんまだだよね? お弁当にすればよかったね」

「い、いいよ、これで十分! どうもありがとう」


 残念そうに言うハルに、慌てて礼を述べる。


「それにしても、ずいぶんいっぱい買ってきたのねえ! ペットボトル、まだこんなにあるわ」

 あおいが呆れたような顔で、誰も手を付けていないペットボトルの入った袋を覗き込む。


「喧嘩になると困るから、多めに買ったんだ」

「失礼ね、喧嘩なんかしないわよ」

「へえ。伊織くん、この二人、喧嘩しなかった?」

「え、ええっ? えっと……?」


 あおいと琴子に少々困ったような視線を向けてしまった伊織に、ハルはふふふ、と笑った。

 大々的に口を開けた菓子の袋に手を伸ばしながら、四人で自然にちゃぶ台を囲む。

 なんとなく、みんなくつろいでいる。他人など呼んだことのない小さな部屋が、なんの違和感もなく団欒の空間になっている状況に、戸惑いと面映さと楽しさを同時に感じていた。

 「友達と家に集まっておしゃべりする」なんて、引越し以来――いやそれどころか人生で初めてのことかもしれない。ちょっと窮屈ではあるが、それもご愛嬌だろう。


 キョウも入ればいいのに……と目を向けると、無言で謎の作業を続けていたキョウが何かに気づいたようにふっと表情を変えた。ハルに視線を向け、小さく頷く。ハルはその視線に応じ、それまでの笑顔を引っ込めて一瞬厳しい目をする。

 その場にゆっくりしゃがみ込み、壁に手を伸ばすキョウ。手の先にあるのは、コンセントに差し込んである二又の連結タップ。それを取り外すと、カバンからドライバーを取り出し、なんと解体を始めてしまった。


「え……えっと、何を……」


 ハルはテレビの音量をさらに上げると伊織に向き直り、かすかに渋面を作ってその顔の前で「ごめん」と片手を上げる。そしてカバンからノートを取り出してためらいもなく一枚破ると、ペンを走らせた。


『この部屋に盗聴器が仕掛けられてる』


「えっ?」


 思わず声を上げてしまった伊織に、ハルは「静かに」の形に口の前で人差し指を立てた。

 伊織はその文字を再び見つめ、もう一度読み返す。知らない外国語でも見ているかのように、その言葉の意味は理解できなくて、それなのに体は硬直していた。

 友人を家に招いての、楽しい談話の時間に踊っていた心が凍りつく。

 説明を求めるように顔を上げると、真剣な眼差しで伊織を見つめているハルと目が合った。ハルはすぐにその紙に目を落とし、続けてペンを紙上に滑らせる。


『このまま世間話を続けて』


 そう言われても、混乱しきった頭では何を話したらいいのか思い浮かばない。そんな伊織の気持ちを悟ったように、ハルはもう一度目を合わせると、いつもと変わらない笑顔を浮かべて『だいじょうぶ』と声に出さずに口を動かした。

 あおいと琴子もその書かれた内容を見ていたが、あおいがわずかに目を見張った以外にはそれほど驚いた様子もない。

 キョウは解体したタップを静かに畳に置くと、別の部分の点検を始めた。ついキョウへと視線が行ってしまう伊織の気を引くように、ハルがテレビのチャンネルを変える。


「伊織くん、この時間って、いつも何見てるの?」

「え……ええと、テレビってあんまり見ないかな……」

「あたしはドラマ! 今シーズンのドラマ、けっこう面白いのよ」


 あおいがいくつかの番組名を挙げる。ハルがそれに反応する。

 伊織は話しかけられるたびに「うん」とか「はあ」とか曖昧な返事をするのみになってしまったが、主にハルとあおいによって会話は続けられ、テレビの音声と共に空間を埋めた。

 キョウの作業はその後二十分ほど続けられ、コンセントの差込口のパネルを剥がしたり電気機器を解体したりしていたが、やがて眉を寄せて宙を見上げ少し考えるような素振りを見せた後で、ハルに向かって頷いた。

 ハルはキョウに頷き返し、ちゃぶ台の上を片付け始める。


「それじゃ、そろそろ出ようか」

「え……!」


(行っちゃうの? このまま?)


 この状態で置いていかれることへの不安を感じて泣きそうになりながら顔を上げると、ハルがまた笑顔を作る。


「伊織くん、出かける準備いい?」


 どこに行くのかは知らないが、連れて行ってもらえるならどこにでも行きたい。勢い込んで頷くと、ほかの三人も荷物をまとめ出した。




 理事長室の執務机の前に座って仕事をしていたらしい楠見は、五人の高校生の来訪に一瞬驚いた顔をしたが、なぜだかとても嬉しそうに、両手を広げた。

「やあ、いらっしゃい。どうしたんだ、みんな揃って?」


 夏休みに遊びに来た孫を歓迎するおじいちゃんみたいな笑顔の楠見に、キョウは少々怪訝そうな顔をしたが、ハルは構わずに、

「ちょっと問題発生。いま大丈夫?」とにこやかに聞く。


「どうぞどうぞ。まあ座って。ドーナツがあるんだよ。食うかい?」

「あら、それじゃあたしお茶入れてくるわ」


 あおいが給湯室に向かう。


「ああ、悪いねお嬢、よろしく」


 楠見は出ていくあおいに声を掛け、執務机の前のオットマンに座る。ハルとキョウが長いソファに、琴子がひとり掛けのソファに腰を下ろし、伊織は楠見と向かい合う形で正面のソファに腰掛けた。

 席に着くと楠見は、なぜだか緩んでいた顔を、少々引き締め、残った四人の顔を見回す。


「それで、こんな時間にどうしたんだい?」

「これ」


 とキョウがローテーブルの上に差し出したのは、先ほど伊織がキョウに預けたアルバイトの募集広告である。受け取ると、楠見は不可解そうに眉を顰めて広告に目を走らせすぐに目を上げた。


「キョウ、俺はアルバイトは探してないよ?」

「違っげーよ、バーカ!」


 力いっぱい否定されて、楠見はちょっと傷ついた顔をしたが、キョウは構わない。


「こいつがバイトの面接に行って! いろいろあって! それから襲われたりして、戻ってきてまたいろいろあって! それでっ!」

「はいはいはいはい、ストップストップ」


 ハルはキョウをとどめると、放課後からこれまでの出来事を説明し始めた。

 当事者である伊織は相槌を打つくらいしか口がきけず、キョウは求められて注釈を入れる程度で、なぜかその場にいなかったはずのハルが主に説明をする。

 腕を組み真剣な表情で聞いていた楠見は、一通りの説明が済むとため息をついて再び広告を手に取った。


「『担当者』の名前は『スガワラ』と言ったな……」

「はい……」

「ふうむ……『エイチエル企画』、ねえ……」


 それきりしばらくの間、室内に沈黙が降りた。それぞれに考えをまとめるような時間を置いて、楠見が琴子に向かって視線だけ上げる。


「襲ってきた男たちは……?」

「本当に何も知らないようだった。数日前に近くのゲームセンターかどこかで声を掛けられて雇われたみたい」


「そうか、ありがとう。それで、キョウ……」

 楠見は次に、キョウに目を向ける。

「盗聴器が仕掛けられていると気づいたのは……?」


 キョウは楠見の手にしているアルバイト募集広告を目で示す。


「それたぶん、家とかのプリンターで印刷した一点モノだ」

「なに……?」

「一枚だけプリントして、伊織んちポストにだけ入れられたんだろな」


 言われて、楠見は再度チラシに目を落とし、吟味するように見つめる。


「伊織がバイト探してて、なかなか見つかんないこと向こうは知っていた。そんで、条件のいい内容書きたてて呼び出した(、、、、、)


 そこで真剣な目を向けられて、伊織は改めて縮こまった。キョウは続ける。

「金曜と月曜に失敗してっから、別の手段を考えたんじゃねえの? 『向こう』ははじめっから、伊織を連れてって『サイ』のテストがしたかったんだろ」


「『面接』と称してオフィスに引き込めれば良かったわけだね」

 ハルが付け加える。

「あんまり確実な方法には見えないけどねえ……まあ、待ってれば来るかもしれないんだったら、ダメ元でやってみてもいいかな。お金も労力もかからない。能力を斬られる心配もないし」


 そんな手に、見事に引っかかってしまったわけだ。どれだけ間が抜けてるんだろう。伊織は悲しくなる。


「そんでさ」と、キョウが伊織に視線を向ける。「条件とか詳しい話は応募先への電話でしか話してねえわけだろ?」


「……と思う」

「ってことは、伊織が家で電話で話した内容を聞いてた人間がいるわけだ」


 また背筋が冷たくなる。安全だと思っていたあのアパートの部屋での会話を、聞いている人間がいただなんて。


 楠見は膝の上に両肘を付き、手を組んでその上に顎を乗せた。そして小さく息をつく。

「それで、盗聴器が仕掛けられていると思った?」


「当てずっぽうだけどな。調べたら、ほんとにあった」

 だけど、とキョウは宙を見上げて眉を寄せる。

「元々の狙いが、伊織か哲也かは分かんねえけどな」


「……え?」

「あのタップ、お前が引っ越してきてから自分で付けたもんか?」


 質問を振られて、少々考える。

「え? ……いや、前からあったかな。従兄弟のだと思ったんだけど……」


「伊織くん、盗聴器ってね」

 困惑する伊織に、ハルが笑顔で注釈を入れる。


「簡易的なものだと電池式で、時間が経って電池が切れたら用がなくなっちゃうんだ。だけど、コンセントに直結して付けられているのはそこから電源を取るから、半永久的に動き続ける。だからもしかしたら、伊織くんが住み始める前から付けられていたのかもしれない」


「考えられるな」

 楠見が引き取る。

「受信するほうは、受信機があれば取り付けた人間でなくてもできる。哲也くんの事を調べるために取り付けられた盗聴器が流用された可能性もある。これまでに、帰ったら部屋の様子が違っていただとか、鍵が開いていただとか、そんなことはなかった?」


 考えて、伊織は首を横に振る。

「……なかったと思います」


「哲也くんが部屋を引き払ってからきみが引っ越してくるまでに、多少の期間があった?」

「ええっと、二、三日かな……」

「荷物は? 部屋に置いてある家具や家電は、きみが用意したものかい?」

「いえ、ほとんど従兄弟ので……俺が持ってきたのは服とか本とか小物くらいで……」

「そう……それだといつ仕掛けられたのか、決め手はないな」


 全員がまた押し黙った。

 少しして、楠見が広告をテーブルに置いて立ち上がり、執務机のほうに歩きながら言う。


「伊織くんが受けそうになった『適正検査』、ね。パソコンの画面にカードのようなものが出ていたと言ったね」

 楠見は執務机の引き出しを開け、中を探ってカードのようなものを取り出す。


 琴子が、ぽつりと言葉を発した。

「ゼナーカード」


「そう……これだよね」

 言いながら楠見は戻ってきて、一組のカードを伊織の目の前のテーブルの上に並べた。

 十字、星、丸、四角、そして波のような三本の曲線。


「あ……これです」


 食い入るように見つめ、驚きながら答えると、楠見はひとつ大きく頷いた。


「ゼナーカード、あるいはESPカードと言ってね、『サイ』のテストや訓練に使う」


 ここにいるほかの者には馴染みのあるカードと図柄らしく、特段の反応はない。


「ESPは『超感覚』のこと。これは主に『透視能力』や『テレパシー』のテストのためのカードだよ」

 楠見は戸惑っている伊織に、小さく笑いかける。


「簡単に言えば、カードの絵柄を当てるわけなんだけど」

「はあ……」

「何百回、何千回と繰り返すと、偶然当たる確率は五分の一、つまり二十パーセント前後になる。それを上回れば『超感覚(ESP)あり』とあると判断される。一番単純なサイテストだ。体に機械を取り付けられそうになったというのは、テストを受けている間の心身の状態を測ろうとしたんだろうね」


「えっと……つまり……」

「きみが『面接』に行った『エイチエル企画』は、『サイ』の組織に間違いないな。テストしてどうするつもりだったかは分からないが、ただ――」


 少し言葉を切って、楠見は正面から伊織を見据えた。


「少なくとも、きみが従兄弟の哲也くんと間違われて追われているという可能性は消えたと見ていいだろうね」

「……えっと」


 戸惑う伊織に、楠見は同情混じりの複雑な視線を送って、


「――今回きみは、自分の名前を名乗って面接を受けに行ったわけだ。その上で、テストされそうになり、何者かに襲われた――しかも、盗聴器がいつ付けられのかは分からないが、相手はきみだと分かった上で部屋を盗聴までしている。これは人違いではなく、きみ自身が何かのターゲットになっていると考えたほうがいい。相手はきみのことを『サイ』だと考えて、手に入れたがっているんだ」


 理解が及んだとは言い難いにも関わらず、冷たい汗が背中を伝った。

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